中国の太陽光発電銘柄に注目
2013年のはじめに「2013年のビッグテーマになるか!太陽光発電銘柄に注目」という記事を書きましたが、2013年1~9月までの太陽光発電銘柄の上昇は素晴らしいものとなっています。期間別の騰落率は右の表のとおりです。コード末尾に-HKをつけた香港上場の太陽光発電銘柄は黄色をつけました。その他は全て米国上場株ですが、このうち米国メーカーは青色につけてあります。それら以外は米国上場の「中国の太陽光発電銘柄」ということになります。
太陽光発電銘柄には川上(部品、原材料)~川下(完成パネルの施設)までありますが、川下部分の企業は建設業に分けるのが妥当であるため、今回は川中企業までの製造業者に絞り込んでいます。
これらは広い業種でわけると半導体製造業に入ります。ただ半導体関連の中でも電子部品でなく、太陽光発電に特化した企業という小区分になり、ここでは米国と香港に上場する計14社に絞りました(小企業を除き、ほぼ全てを網羅していると思います)。
これら14社の年初来株価騰落率は平均でも+188.4%(2013年9月27日時点)であり、3倍、4倍上昇している株が多く見られます。明らかに上昇波動が2012年末の派手な初動から持続しており、このまま終われば、2013年に最も上がったセクターは太陽光発電銘柄、ということになるでしょう。
米国株→中国株の順に上がるのは前回の高騰時と同じパターン
2007年の太陽光発電関連銘柄の上昇時も、当初は米国企業が先を走って上昇し、途中からは中国企業がより猛烈に上昇していきました。今回もおおよそ同じような流れとなっています。2012年末から業界最古参の米サンパワー(SPWR)が大きく上昇していきましたが、ここ最近はもう1社の米国企業、ファーストソーラー(FSLR)と合わせ、株価はともに失速しています。サンパワーの利益はこれらの企業の中で唯一2012年黒字で、かつ2013年は増益というしっかりしたものですが、2013年の利益が大幅に伸びる一方、2014年に関しては伸びが鈍化すると予想されています。
一方、不況時のダメージが深刻で、大半が2012年も2013年も赤字である中国の太陽光発電企業は、2014年に猛烈な利益成長、あるいは黒字転換することが平均的に予想されています。
米国ソーラー企業の財務は比較的しっかりしているのに対し、中国の太陽光発電企業はメディアから「ソーラーバブル崩壊で破綻も」という記事が多く伝わります。実際、多くの中国の太陽光発電企業のバランスシートはひどいものです。しかし今、猛烈に株価が上昇し、アナリストレポートでも見方が改善してきているのが、米国上場の中国の太陽光発電銘柄です。中国の太陽光発電企業はごく最近までどん底の状態にあり、株価も「破綻価格」に近いところまで落ちていました。そこから正常化へ向かう過程で株価急騰が生まれるのです。
このようなケースは日本や米国でもありました。昔、りそな銀行が破綻の恐れもあったときに国有化が決まり、みずほ銀行などとともに、歴史に残るメガバンク急騰劇となったことがありました。一方、日本の住専にあたる、米国の政府系金融機関フレディ・マックとファニー・メイの株価は、サブプライムバブル崩壊で1ドルほどに暴落し、破綻かと思われましたが、結局政府の支援もあってごく短期間に上昇し、その後も米国住宅市況回復で利益も完全に回復していきました(ただし数年後、政府の意向で上場は廃止されることに)。
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