全てに優しさがちりばめられた心が温かくなる作品
■作品名夏目友人帳 (2003~)
■作者名
緑川ゆき
■連載雑誌
月刊LaLa、LaLaDX
■あらすじ
人間と妖怪の出会いと別れのストーリー。
両親を亡くし、親戚を転々とし子供の頃から妖怪を見ることが出来るがゆえ
周りとのずれを生じ、大人からも同世代からも疎まれながら過ごす日々だった、主人公の夏目貴志。
ある時、貴志の事を引き取ってくれた優しい藤原夫妻の元で暮らす様になってから、段々と貴志の周りに変化が訪れます。
いつものように妖怪から逃げ回っていた貴志はある日、ほこらの結界を誤って解いてしまいます。そこから現われたのが、手帳欲しさに貴志の用心棒となるあやかしの斑(まだら)です。
この出会いで今までの貴志自身も解らなかった、
妖怪が見えたり、好かれたり追いかけられるのかが判明します。
それは、貴志の持っていた祖母の手帳と祖母から受け継いだ妖怪が見える力が大きく影響しているのです。
その手帳には祖母で孤独だった夏目レイコが妖怪と戦い勝ち取った妖怪達の名前が記されているのです。
その名前を返して欲しくて妖怪達は、レイコと同じにおいのする夏目貴志をレイコと思いやってくるのです。
■おすすめの理由
毎回次々と現われる妖怪達。
斑は招き猫の様な容姿で飼い猫として暮らしていますが、何かある度に
白い獣に変身して夏目を助けます。
そして、夏目が手帳から無事に妖怪に名前を返す日々が続くのです。
このお話で一番好きな所は、同級生達と過ごす夏目貴志です。
今までは気持ち悪がられたり、いじめに有ったり、日陰暮らしでしたが何故か?ここでは同じく妖怪の気配を感じる同級生が現われたり
学生生活を普通に過ごせる夏目に、安心感を得てしまいます。
また、多くは語らないが、夏目のことを大きな愛情で守る藤原夫妻。
そんな夫妻に迷惑をかけまいと必死に繕う夏目。
そんな優しい夏目をこのマンガに出ている全ての人が、同じ優しさで返します。
ただ、妖怪と戦っているだけでなく、全てに優しさがちりばめて有り、心が温かくなるマンガです。
中でも斑=にゃんこ先生が最高のキャラクターとして、
このストーリの案内役として華を添えています。