恋愛に苦しみながらも、徐々に強く自分の道を見つけ出す主人公
■作品名Paradise Kiss (パラダイス キス)(1999~2003)
■作者名
矢沢あい
■巻数
全5巻
■おすすめの理由
「ご近所物語」の続編として描かれた「Paradise Kiss」は、ファッション誌「Zipper(ジッパー)」に掲載されていた作品で、英語版を始め数多くの外国語版が出されています。
また、作品の中に登場するファッション性の高さも評判です。
■あらすじ
優等生の早坂紫は、塾と学校の勉強漬けの毎日に疑問を感じている。
ある日、矢沢芸術学園の生徒である嵐に「学園祭のショーモデルを探しているんだけどやらない?」と声をかけられる。
母親の躾もあり、ルールにしたがいレールからはみ出さないように生きている紫にとって、嵐を始め、共同でアトリエを持ちクリエイティブな洋服作りに励むジョージこと小泉譲二や、実和子、イザベラこと山本太助らは、そのファッションも含めて貧血を起こしそうなほど異次元の人々だった。
でもショーモデルを引受け、彼らの物作りの姿勢をみるうちに共感を覚え、ジョージにも惹かれていく……。
とにかく登場人物のファッション、アトリエのインテリアなどがオシャレで素敵です。
そして洋服を作ることへの熱い情熱や、学校を卒業したら洋服作りは夢ではなく「仕事」になってしまうという現実のなかでも、楽しく物作りをする彼らの意欲はうらやましくなります。
プライドが高いくせに、主体性がない紫がジョージに振り回され、恋愛に苦しみながらも、徐々に強く自分の道を見つけ出す所も好きです。
「ご近所物語」の主人公の実果子が卒業してブランドを立ち上げ、いまや押しも押されぬ人気ブランドのデザイナー兼社長として登場。
実は実和子が実果子の妹だったり、紫の行動を心配し想いを寄せている優等生で同級生の徳森君が、「ご近所物語」で実果子の兄代わり的存在だった徳ちゃんの息子だったりと……と、リンクも楽しめます。