マンガ・コミック/口コミでおすすめの70年代の少女・女性マンガ

悲哀のある美しい吸血鬼達を繊細に描く『ポーの一族』

森に捨てられた幼いエドガーとメリーベルの兄妹は、村の老女ハンナに助けられる。しかし彼女は吸血鬼で、エドガーは吸血鬼になることを強要されてしまう……。人間に戻りたいという悲哀などが描かれているので、繊細な画風と相まって文学作品のような深い余韻を残した作品です。

投稿記事

儚い美しい世界を描いた、文学作品のような少女漫画

■作品名
ポーの一族

■作者名

萩尾望都

■巻数
全5巻

■おすすめの理由

「ポーの一族」はシリーズとして別冊少女コミックに連載されたものです。

作者の「永遠にこどもであるこどもを描きたい」という想いから、吸血鬼という設定が生まれ、最初は短編が誕生しシリーズ化。

1976年に、第21回小学館漫画賞少年少女部門を受賞しています。

■あらすじ
1744年、幼いエドガーとメリーベルの兄妹は、複数の愛人を持つ貴族、エヴァンズ伯爵の子供だった。

母親である愛人の死後、エヴァンズ伯爵が二人を引き取ろうとして本妻の逆鱗に触れ、召使いの手により森に妹共々捨てられてしまう。

それを助けてくれたのが村の老女ハンナ・ポー。

しかし彼女はバンパネラ(吸血鬼)で、エドガーが吸血鬼の秘密の儀式を目撃しまったことで、20歳になったらバンパネラになることを強要されてしまう……。


澄んだ青い瞳が印象的なエドガー。

人間に戻りたいと永遠に叶わぬ願いを秘めて苦しむ彼は、常にシニカルで冷酷ですらあります。

でも妹思いだった性格は、人間の時のままで、メリーベルには深い愛情を献身的に注ぎます。

どんなに外見は若い少年でも、ちょっとした瞬間に人間ではなく「魔」がにじみ出てしまう……
そんなエドガーの哀しくも美しく幻想的なこと。

吸血鬼が恐ろしい悪鬼として描かれているのではなく、人間に戻りたいという悲哀、淋しさ、憧れが描かれているので、繊細な画風と相まって文学作品のような深い余韻を残します。

何度読んでもこの儚い美しい世界に入り込める……、
そんな魅力をたたえている作品です。

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