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絶望的な戦いでこそ輝く男の美学 『ザ・コクピット』

第二次世界大戦の戦場を舞台とする一話完結の短編を連載したシリーズ。一話ごとに違う主人公が登場しますが、そのほとんどがあっけなく戦死してしまう……。そんな話の連続なのに、清々しさや勇気が沸き起こる気がするのは、多くの松本零士作品に共通して描かれた男の美学によるものでしょう。

投稿記事

無駄とわかっていても戦う、自分自身の意地とプライドのために

■作品名
ザ・コクピット

■作者名

松本零士

■巻数
全11巻

■おすすめ理由
第二次世界大戦の戦場を舞台とする一話完結の短編を連載したシリーズ。
一話ごとに違う主人公が登場し、そのほとんどが戦死します。主人公たちのおかれている状況は最初から絶望的で、もはや戦う意味がどこにあるのかわからないくらいですが、
死ぬとわかっていても、無駄とわかっていても、彼らは戦います。
祖国を守るのため、家族を守るためというより、最後は、ただ自分自身の意地とプライドのために。

わずか十数ページの間にあっけなく主人公が死んでしまう、そんな話の連続なのに、
鬱々とした暗さよりも、むしろ、清々しさや勇気が沸き起こる気がするのは、自らの意志で命を捨てて戦う男たちの姿に、読む者の胸を打つ、壮烈の美があるからにほかなりません。
「男なら、危険を顧みず、死ぬとわかっていても行動しなければならないときがある。負けるとわかっていても戦わなければならないときがある」というキャプテン・ハーロックの名ゼリフもあるように、こうした男の美学は、多くの松本零士作品に共通して描かれていますが、なかでも「ザ・コクピット」は、それが最も先鋭的に表れた作品といえるでしょう。


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