強力なパワーと派手なエキゾーストサウンド
走りは筆者がこれまで味わった、どのジャガーよりもスポーティというか、レーシーですらあります。「Fタイプ V8 S」には、最高出力364kW[495ps]/6500rpm、最大トルク625Nm/2500rpmを発生する5リッターV8のスーパーチャージャー付きエンジンが搭載され、8速ATが組み合わされます。エンジンをかけた瞬間から、早く全開で走らせろといわんがごとき大きなブリッピングに驚かされます。そしてドライブすると、踏んだ瞬間にどこからでもついてくる強力なパワーと派手なエキゾーストサウンドに、まさに「圧倒」されます。アクセルをオフにするとパンパンとレーシングカーのような音を立てる演出も見られます。加速感はもちろん、これほど「音」で感じさせてくれるクルマは今どき珍しい。やみつきになってしまいそうです。
足まわりの味付けもジャガーらしからぬ印象で、乗り心地は硬めのスパルタンな味付けとされています。ステアリングは極めてクイックで、応答遅れもなく、切ったとおりに俊敏に反応するシャープなハンドリングを身に着けています。
ジャガーにはすでに「R」の名のつくハイパフォーマンスモデルが存在しますが、それらとも異質の、ストイックに走りを追求した印象を受ける仕上がりです。
タイヤサイズは標準が前245/40R19、後295/35R19、オプションで前255/35ZR20、後295/30ZR20が選べる。Fタイプ V8 Sには、前380mm、後376mm径のディスクローターを持つ「ジャガー スーパー パフォーマンス ブレーキシステム」を標準装備