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日本ラグビーが変わる! W杯、五輪開催の意義(2ページ目)

2020年の五輪開催地が東京に決定しました。その1年前の2019年には、ラグビーワールドカップ(以下RWC)が日本で開催されることが決定しています。この2年間で、日本のラグビー界は大きなターニングポイントを迎えることになります。ここでは6年後のRWCと7年後の東京五輪によって日本ラグビーに何が起こり、どう変わっていくかについてお話ししたいと思います。

中竹 竜二

執筆者:中竹 竜二

ラグビーガイド


7人制ラグビーは五輪向けのラグビー

五輪で行われるラグビーは、一般的に知られている15人制ではなく、7人制のラグビーになります。

7人制ラグビーは、1883年にスコットランドのボーダー地方で始まった古い歴史を持つ競技です。しかし現在のように世界各国で盛んに行われるようになったのはわりと最近のことで、15人制と異なりニュースポーツのひとつとして分類されます。そのため多くの人に活躍できるチャンスがあり、もしかしたらいまはほかの競技をやっている選手が、数年後には日本代表になっている可能性もあります。実際、女子ではラグビーを始めて1、2年で日本代表になり、7人制ワールドカップに出場した選手もいます。身体能力が高ければキャリアが浅くても世界で戦える可能性がある。そんな夢のある競技なのです。

現在、日本ラグビー協会でも7人制ラグビーの強化に取り組んでいますが、特に力を入れているのはタレント発掘です。他競技からの転向であったり、身体能力の高い人を7人制ラグビーに取り込むことを、積極的に行っています。またスポーツの原点である「みんなで楽しみ、誰にでもチャンスがあり、スポーツをする機会を提供することができる」という理念を実現するためのツールとしても、7人制ラグビーは機能しています。

7人制ラグビーは、実は「五輪用のラグビー」といっても過言ではないくらい、五輪に適した競技です。グラウンドの広さは同じですが、人数は半分以下の7人で行われます。スペースは同じでも人数が少ない分、ぶつかりあうことが減り、走るプレーが増えるので、観戦者にとってはわかりやすく、誰もが気軽に楽しめる競技といえます。また試合時間が約6分の1と短いため、ひとつのチームが1日に数試合戦うことができます。つまり一日の間でいろんなゲームを何試合も楽しむことができるわけです。

このように7人制ラグビーはより観客を盛り上げる競技として定着しています。また他競技で五輪のメダリストとなったアスリートが、2020年の東京五輪では7人制ラグビーの日本代表として出場している可能性も十分あります。そういう意味で7人制ラグビーはまさに五輪向けの競技であり、多くの方に楽しんでいただけると思います。

スタジアムに響き渡るラグビーソングで、震えるような興奮を体感できる!

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ワールドカップでは世界中のラグビーファンが訪れる。スタンドの雰囲気も最高 Photo/Kaori Matsumoto

実はかつて、ラグビーが五輪種目だった時代がありました(1900年パリ大会~1924年パリ大会までの4大会。15人制で実施)。しかしその後は、正式種目から外れる時代が長く続きます。そして2016年に開催されるリオデジャネイロ大会で、ようやくラグビーが正式競技に復帰することが決まりました。

日本にとって幸運なのは、2020年にいきなり本番を迎えるのではなく、4年前のリオデジャネイロをふまえた上で、東京五輪を迎えられるということです。リオでしっかりと準備をし、ステップを踏んで、東京で日本の強さを存分に発揮したいと考えています。

ちなみに、現在使用されている国立競技場は来年夏から改修工事に入り、大幅にリニューアルされることが決定しています。完成は2019年の3月を予定されており、RWC日本大会がそのこけら落としとなります。

これは日本のラグビー界にとって非常に光栄なことですし、開閉式屋根を備えた最新式のスタジアムでラグビーが行われることは、とても大きな価値があります。

海外のラグビーでは、試合中に観客が声を合わせて歌を歌う文化が定着してます。イングランド代表の「Swing low, sweet chariot」などが有名ですが、大きな歌声がスタジアム中に反響する様は、日本ではなかなか味わうこのできない高揚感があります。

ラグビー強豪国の多くは、国歌とは別に独自のラグビーソングを持っています。たくさんのファンが自然発生的にそれを歌い、スタジアムを揺るがすように響き渡るシーンを目の当たりにすれば、多くの日本人はきっと衝撃を受けるでしょう。ぜひその興奮を、スタジアムで味わっていただきたいと思います。

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