獣医師のクライアントのうちおおよそ8割が犬、2割が猫です。なので、その他のペットに対してお薬を用意したり、設備を用意したりが難しいというのが現状です。飼主さんが自分で専門医を探すことになる訳ですが、爬虫類などの特殊ペットは専門医が少ないので、なかなか見つけることができません。
また、ご存知かと思いますが、獣医師はその業務について広告をすることが法律で禁じられています。やや規制が緩和されたとはいえ、大々的に「爬虫類を診療しています」「フェレット診察します」などという広告は出しにくいというのが現状です。今日はそうした専門医の上手な探し方についてお話していきます。
1. まず仲間を見つけよう
水槽で気持ちよさそうに泳ぐナガクビガメ
「ご旅行中ということですが、宿泊先はどうしておられるのですか?」
「フェレットの飼い主って、結束が強いんです。お互いに預けあったり、旅行のときは泊めてもらったりしています。私も他の飼主さんを泊めてあげることがありますよ。」
よっぽど理解のある宿でない限り、フェレット連れではなかなか泊まれません。飼主さん同士でこういうコミュニティがあるのだと関心した次第です。専門医探しが今回の要点ですが、まず飼いかたや餌の情報を得られる同士を見つけること。そうすれば動物病院も紹介してもらえます。広告や無責任なネットの書き込みではなく、経験に基づいた情報を得ることができます。
あなたがお飼いになっておられるペット、フェレットでしょうか? リクガメでしょうか? カメレオンでしょうか? 特殊であればあるほど、同好の士は結束が固くなるものです。
2. ペットショップで紹介してもらう方法も
すぐに仲間が見つからない、でも緊急を要するというときは、ペットショップで紹介してもらうという方法があります。どんなペットショップでも必ずかかりつけの病院があるので、そちらにまず行ってみましょう。3. 書籍・インターネットなどの情報は自分で確かめて
先に述べましたように、広告に規制があるため、口コミ以外に専門獣医師を探す方法は、「病院の看板」
「専門雑誌」
「ネット上のペットフォーラムなどの書き込み」
ということになります。「病院の看板」には「うさぎの専門医」「小鳥の病院」などと書かれ、雑誌の投稿欄やネット上の書き込みには「○○先生のところで診察を受け、すぐに治りました!」などと書かれています。でも、この情報をうのみにするのはちょっと待ってください。
投稿者が宣伝で書いている、などと疑うのではありません。その治療は、「その人のペットに対して」効力があったのです。また「その病気に対して」効力があったとも言えます。治療の効果は人によって違います。
どうしてもその病院しか選択肢がないときも、いきなり治療に連れて行くのではなく、まず「病院を訪問する」というステップを踏みましょう。
そのときの見分け方は
- 院長とスタッフが十分な知識を持っていること
- 飼育・治療の施設が特殊ペットに対応していること
- クライアントの数がある程度あること
ということで、専門医の探し方のまとめです。
- 特殊なペットであればあるほど、仲間探しが大切。
- ペットショップからの紹介も利用する。
- 情報は自分の目で確かめてから信用する。