個人向け国債の変動10以外は利用を控えたい

個人向け国債変動10以外はおすすめできない

個人向け国債変動10以外はおすすめできない

全ての個人向け国債が募集された6月の長期金利0.8%台と比較すると、9月の個人向け国債の発行条件が決められた足元では、長期金利は0.7%台へと約0.1%低下しています。

このため9月の個人向け国債の発行条件は、固定3年=0.11%(0.14%)、固定5年=0.24%(0.30%)、変動10年=0.51%(0.57%)と6月募集と比較して全て低下しました。( )内は6月の募集金利です。

ちなみに、9月募集の新窓販国債の金利は、2年物=0.1%、10年物=0.8%と6月募集と変わることはありません。5年物の条件はまだ決まっていません。個人向け国債、新窓販国債(2年物を除く)ともに、春先よりは金利は上昇していますが、資産運用という観点からは妙味がある運用先と言えそうにありません。

仮に国債での運用を考えているならば、変動10以外の利用は避けるべきでしょう。なぜなら、物価の上昇により長期金利のさらなる低下は考えにくくなっているからです。日本銀行は消費者物価の上昇率2%を目指して異次元緩和と呼ばれる金融緩和を行っていますが、順調に消費者物価は上昇しているのです。

2013年7月の消費者物価指数は対前年同月比0.7%もの上昇となりました。輸入品の価格上昇を消費者に転嫁(=値上げ)したことと、エネルギー価格の上昇によるものです。このまま消費者物価の上昇が続いたとしたら、経済原則の観点からは、長期金利が低下していくことは考えられず、むしろ物価の上昇に連動して長期金利も上昇していく可能性が高いと思われます。

日本銀行の異次元緩和で長期金利は低位安定することができるのでは?と思われるかもしれませんが、4月から5月の長期金利急騰、その後、長期金利は低下したものの0.7~0.8%程度に低下、安定したに過ぎず、春先のような0.5%前後に低下してはいないのです。これは物価が上昇していることが影響していると考えられます。

社債は償還期限が長めの発行急増

足元、個人向け社債の発行が行われていませんが、個人向けと銘打っていない普通社債の発行は活発に行われています。今後は、個人向け社債の発行も増えてくると思われます。

普通社債の発行で気になるのは、償還期限が10年以上の長期債の発行が大幅に増えていることです。2013年9月、三菱商事が14年振りに15年債を、伊藤忠は16年振りに12年債を発行することが決まっています。

長期の普通社債が発行している背景を考えると、GW明け以降乱高下していた長期金利が落ち着いていることに加え、金利の先高観があるようです。金利の先高観があることから、金利の低いうちに長期資金を調達しておこうというわけです

消費者物価指数が上昇基調にあるうえ、企業の資金調達も金利先高観をにらんだものであることを考慮すれば、資金運用のセオリー通り長期の固定金利商品の利用は控えるのが無難と思われます。国債や個人向け社債への投資は、よほど好条件の債券以外、償還期限の長いものへの投資は低金利に縛られるだけなので控えたいところです。
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