家計簿・家計管理/家計管理の基本

お金の量と幸福度が比例しない不思議

お金がたくさんある人でも、不安が全くないわけではありません。お金の量と幸福度は必ずしも比例しないのです。節約をして生活コストを下げ、「足るを知る」生き方をすれば、今あるモノや環境で十分に幸せを感じることができるでしょう。

二宮 清子

執筆者:二宮 清子

家計簿・家計管理ガイド

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お金だけでは生活の不安を払拭できない

お金の不安を抱えている人は多いでしょう。お金の量が少なくて不安を覚えるのはわかりますが、お金をたくさん持っていても不安で使えない、という人も多いように感じます。

つまり、どれだけ収入を増やしても、どれだけ貯めても、お金の知識や扱い方を知らなければ、不安はなくならないということです。さらに、幸せを感じる感性がなければ、いくらあっても満足するということはないのです。
 

毎月、最低限いくらあれば生活できますか?

実は、1カ月に必要な生活費が低ければ低いほど、自由度は高くなります。貯蓄が100万円ある家庭の場合、生活費が毎月20万円なら5カ月は自由に暮らせますが、生活費が30万円必要な家庭では3カ月しか自由に暮らすことができません。もし、収入が途絶えても5カ月あれば生活を立て直すことは可能でしょう。

「あれもこれもなければ生活できない、幸せではない」という考え方より、「これだけあれば十分生活できて、幸せだ」と考えるほうが、心も家計も安定します。
 

節度のある生活を通して、金銭感覚が養われる

私自身、節約生活を始めて数年が経ちますが、「節約とは一体なんだろう?」と改めて考えてみました。節約生活を始めた当初は、とにかく家計の無駄を省き、支出を抑えることに集中していました。しかしそのうち、節約することで「モノを大切にすることの重要さ」や「価値と値段の違い」「足るを知ること」に気付いたのです。

節約生活を通して、節度ある生活をする重要さを実感しました。節度ある生活とは、次のような意味でとらえることができます。
  • 収入の範囲で生活する
  • お金を大切に扱う
  • モノを大切にする(安易にモノを増やさない)
  • 資源を大切にする
他にも生活習慣や健康、人間関係など、いろいろな面があるでしょう。これらの節度ある生活をすることで、様々な方面にプラスの金銭感覚が身につくのです。
 

幸福度とお金の量は無関係

必要な生活費の水準を下げて、家計が軽くなると、前述したように自由度が高まります。生きることが楽になり、幸せをたくさん感じられるようになります。例えば……
  • 毎月、お給料をもらえてありがたい
  • 毎日、働いてくれてありがたい
  • 毎日、家族と食卓を囲めて幸せだな
  • 社会保障制度のある日本に生まれてラッキーだな
  • 税金を支払えることは豊かな証拠だな
  • お金は便利な道具だな
  • 何があってもこれだけ貯蓄があるから大丈夫
などと、一見当たり前のようなこともうれしく思えるので、使えるお金の量が多くなくとも幸福度は高まるのです。

家計の悪化を時代や環境、政治のせいにするのではなく、今あるモノ、持っているモノに着眼すれば、人は豊かさや幸せをたくさん感じることができます。世の中ではいろいろなことが騒がれますが、私は日本に生まれただけで、なんてラッキーなんだろうと思っています。

今あるモノや環境に感謝して満足できてはじめて、さらなる豊かさを手に入れることができるでしょう。

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