「不法行為」なら弁護士費用も認められるが……
弁護士に依頼するための費用まで請求できるか?それは、どういう根拠で請求するかによります
1つは「不当利得」といい、法律上の根拠もないのに自分のモノを相手が持っている場合に、これを返せ!と請求できることをいいます。
通常の過払い金は、法律上の根拠もないのに、払い過ぎた自分のお金を消費者金融会社が持っているわけですから、この「不当利得」を理由に請求することになります。不当利得の場合、弁護士費用の支払まで認められるかどうかは意見が分かれていて、認めた判決も認めなかった判決も混在しているのが実情です。
2つめは「不法行為」といい、違法な行為によって人に損害を与えた場合に、その被害者が加害者に対して損害賠償を求めることができることをいいます。
過払い金の場合ですと、業者が、暴行や脅迫を伴う請求をしたり、法的根拠がないことを知りながらあえて請求したりするなど、「社会通念に照らして著しく相当性を欠く」場合であれば、不法行為になるとされます。不法行為の場合、弁護士費用の支払いまで認められることが通常です。
このように、弁護士費用まで請求したければ、不法行為として請求するのが確実ですが、「社会通念に照らして著しく相当性を欠く」とまでいえるケースは多くないと考えられます。ですので、現段階では、不当利得として請求し、弁護士費用も損害であることを強く主張していくのがよいでしょう。
弁護士費用の支払いを目指すのであれば、訴訟を起こす必要がありますが、実際に支払われるかどうかは、裁判をやってみなければ何とも言えない、というのが現状です。
過払い金の「慰謝料」って?
みなさまは、離婚や名誉毀損の「慰謝料」を支払った、などという話をニュース等で耳にしたことがあると思います。慰謝料というのは、浮気や悪口といった相手の行為によって、苦痛や悲しみという精神的な損害を受けた際に、その穴埋めをするために請求できるお金のことです。浮気された心の苦痛が何百万円相当なのか、という算定は非常に困難であいまいではありますが、裁判でも損害の一項目として認められています。
実は、過払い金についても、この慰謝料が認められる余地があるのです。過払い金の慰謝料というとあまりピンと来ないかも知れませんが、ある2つの場面で発生する可能性があります。
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