元は和菓子屋だったという店舗。
学芸大学の駅から外れた住宅街の中。地図を見ながらさまよう。 周りは普通の家ばかりでちょっと心配になる。 本当にこんなところにあるのかな?と角を曲がったところに、ほんわりと灯が。 店の前には呑気な風情でイスが置かれ、 ガラス張りの外から様子を眺めているとオーナーと目が合った。
リンドベリ、リサ・ラーソン、ウエストマン等、
食器は種類が豊富。ランプや家具も販売している。
「まだ看板ができていないんですよ~」。オーナー築地さんが にこにこしながら話す。以前は和菓子屋だった店舗を自分たちで改装。 床のタイルは雰囲気が良いのでそのまま残すことに。 入り口にあるショーウィンドーの木の台も手作り。 「北欧の緑」のイメージで、ここにいずれ天然芝を 植えてみたいという。
左:マリメッコの布を張ったスクリーン
右:出来たばかりのショップシート
もともとヨーロッパなどの家具のバイヤーをしていた築地さん。 旅先では個人的に「いいな」と思うものを見つけることも多かったが、 卸すことを考えると、売れるかどうかを考慮に入れなければならず、 なかなか発表できる場がなかった。日本ではあまり有名ではないけれど、 紹介したいデザイナー、いい商品はたくさんある。 売れるというより、自分がいいと思うものを扱いたい、という想いから、 この店がスタートした。 古いものにはへんてこなものも多く、なぜこんなものを?と いろいろ想像するのが楽しい。巨匠の外した(と思われる)作品などに 愛嬌を感じる。「面白いネタを見つけて、情報発信したいんです。」 と築地さんはいう。店舗をあえて分かりにくい場所にしたのも、 本当に好きな人に訪ねてもらいたいからだそう。
左:まばらに描かれた絵がユーモラスなピッチャー
右:積み上げるとハリネズミになる灰皿。ウォルター・ボッセ作。
店を訪れるお客さんは、小さい店ながら2,3時間 じっくり見ていく人もいるという。ゆっくりとお茶でも飲みながら、 お客さんと情報交換するのが楽しいのだとか。お客さんに教えて もらうことも多い。
左上:インテリア誌いろいろ。世界最長発刊誌のFormなども扱う。
右上:カラフルなフィンランド製・フィネルの鍋など。
左下:手前の赤いのはデンマークの”黒電話”。ちゃんと使える。
右下:これもウォルター・ボッセ。卵立て、楊枝入れなどそれぞれ用途あり。
実は近々福岡にもお店をオープンする。こちらはカフェの一角を借りて、 デザインやイラストの書籍をメインに、新しい雑貨も紹介していく予定。 イベントなども考えているという。これからやってみたいことについて 築地さんに聞いてみたら、なんだか面白い答えが返ってきた。 「これから、というかいつかやってみたいな、と思うのはスーパーの経営。 スーパーであてもなくうろうろするのって好きなんです。趣味かもしれない。 季節に合わせてイベントを考えたりするのも面白そうだし。 生活に欠かせないものであって、消費者の目が厳しいからこそ、 やりがいある仕事じゃないかと思うんです。」 なんだか飄々としていて計りしれない、もっといろいろ話を聞きたいと思う。 ユニークで気さくな築地さんに会いたいお客さんも多いのかな、と感じた。
掃除機ヘンリー君がちょこんと覗く。
biotope(ビオトープ)
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