雑貨/北欧・ヨーロッパ雑貨

アンティ・ヌルメスニエミについての小さな本

モダンでありながらほのぼのとしたデザインのこのポット、どこかで見たことはありませんか?ひとつのポットから始まった好奇心が1冊の本になりました。

江澤 香織

執筆者:江澤 香織

雑貨ガイド

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アンティ・ヌルメスニエミについての小さな本

サンク、ビオトープ・著
サイズ:W113×H155ミリ(ほぼ文庫本サイズ)
ハードカバー/96ページ/オールカラー
1,365円(税込)

※表紙は5種類(白・赤・青・黄・茶)ありますが、内容は全て同じです
※実際の本の色とパソコンで見る本の色は異なります
※表紙の色は在庫がなくなりしだい終了とさせて頂きます
※小口の部分を黒く手塗りしているため、ひとつひとつ仕上がりに差があります

北欧の雑貨やヴィンテージ品を扱うショップ サンクビオトープが共同で 作った、手のひらサイズの小さな本。以前サンクの保里享子さんに、 「こんな本を作っているんだよ」という話を聞いて、密かにワクワクと 待っていました。つやつやとした手触りの表紙、パキっと小気味良いカラー、 それらを引き締める黒の小口は、全てアンティの代表的な作品であるポットをイメージして 作られたもの。5色の表紙の中から好きな色を選べるのも楽しい試みです。


アンティ・ヌルメスニエミとは?

Antti Nurmesniemi
1927年フィンランド生まれ。インテリアデザイナー、工業デザイナー、 建築家。ホーロー製のポットからサウナスツール、 Metroの電車のデザインなど多岐にわたり活躍。フィンランドはもとよりドイツ、 イタリアそして日本など世界各国で客員教授、デザインコンサルタントとして働く。 1964年、妻のVuokko Nurmesniemiとともに手がけたMilan Triennialの フィンランドブース(内装)でグランプリを受賞。 1967-71年にフィンランドデザイナー協会委員長、 1989-92年からはICSIDの委員長を勤める。2003年没。


ストレートな思いを丁寧にまとめた本

どれを選ぶか悩みそう
つい最近まで現役デザイナーとして活躍していたアンティ・ヌルメスニエミ。 そういえば・・・と思い出して、家にあった昔の本を探ってみると、 亡くなるちょうど1年前に発行された雑誌に、ヴォッコ夫人との ツーショット写真の載った、彼の記事を発見しました。 赤いホウロウポットがぽんと置かれたテーブルの奥で、にこにこ笑顔の アンティ氏。この人の人柄そのものが作品に表れているような気がしました。

この本の著者であるサンクの保里正人さんとビオトープの築地雅人さんは、 そんな彼の作品に魅せられ、どんどん引き込まれていったようです。 本を読み進めていくと、彼らの湧き上がる好奇心や素直な感動がじわじわと伝わってきます。 本の前半ではアンティ氏の生い立ちや人物像について丁寧に語られ、 中盤からは彼の作品の魅力を様々な角度から楽しみ、 後半ではいよいよ、ヴォッコ夫人の自宅を訪問する感動の場面へと続きます。 彼の作品やフィンランドの自宅写真がふんだんに盛り込まれているところも嬉しい。 さらに、スタイリストの岡尾美代子さん、テーブルウェア研究家の堀井和子さんから寄せられた コラムも入っています。

まず小柄な本のかわいさとデザインのよさに満足し、写真集のようにパラパラと めくって見るだけでもワクワク、さらに読み進めてみると小さな発見と感動が 次々に押し寄せてくる、何十倍にも楽しめる本でした。 部屋の棚にちょこんと立てかけて飾り、いつでも眺めては手に取れるようにしたい本です。

次ページでは著者の保里正人さん、築地雅人さんそれぞれにインタビューをしています!
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