貯蓄が100万円を超えたことがない?ぜいたく老後の素敵さ

老後の生活、お金に合わせる?お金を合わせる?

老後の生活、お金に合わせる?お金を合わせる?

私が最近読んだ、老後の生活に関する本のまず、一冊目です。タイトルもすごい、『迷ったら二つとも買え!シマジ流無駄使いのススメ』。みんなが家計をやりくりしている中、無駄遣いなんかをすすめる、シマジという70代のおじ様は一体誰?と思ったら、週刊プレイボーイの元編集長で、集英社の元社長。今は、伊勢丹のメンズ館でサロン・ド・シマジというセレクトショプ&シガーバーを開いていらっしゃるホンモノのおしゃれさんでした。

どのくらい、無駄遣いをなさるかというと入ってくるお金は、美食、シングルモルト、万年筆、シガー、ワードローブに姿を変えます。美しいものがあったら、他の美のハンターにさらわれる前に手に入れるため、貯金は100万円を超えたことなし。海外旅行に行った翌月は、クレジットカードの請求書を見て立ちくらみを起こすほどだそうです。

家計管理専門のFPである私が、浪費家の本を読んですばらしい!と思ったのは、浪費に美学があることと、マイルールがあることでした。

ロマンチックな愚か者

お仕事柄、多くの浪費家さんにお目にかかりますが、シマジさんは他のブランドマニアや衝動買いが多い浪費家さんとはひと味違います。

物にまつわるストーリーまで愛し、自分なりの美の哲学をお持ちで、何とも憎めず、逆にうらやましいくらい。確かに、節約をすればお金が貯まりますが、楽しみもなく、芸術も愛せない生活を送りたいのか?というメッセージをひしひしと感じます。

すばらしいのは、浪費の中でもメリハリ支出ができていることと、返せなくなる借金はしないことです。さらに、年金は奥様にすべて渡し、いまだに欲しい物を買うために、月に200枚以上の原稿を書いていらっしゃること。

人間、欲がなければ、働く原動力がありません。普通の人なら「家族が元気でくらせるように」というささやかな欲なのですが、ここまで大きな欲があると、70歳を過ぎても、お買い物を楽しみ、仕事もバリバリできるのですね。

お金を使う人が幸せに見える究極のお手本とでもいいましょうか。私は筆が遅いので、老後でもこんなに原稿がかけるなら、今すぐ実になる浪費でもしてみようかしらと思ったのでした。

ケチケチ老後は、生活費11万円

一方、普通の老後の暮らしを教えてくれるのは、主婦と生活社の『ねんきん生活。月15万円で幸せに暮らす』。 季節ごとに発売される雑誌で、私が読んだ春号では、息子さんと暮らす年金生活者が、節約して11万円に生活費を収める特集が印象的でした。老後の生活が心配でFPのところに相談に行ってアドバイスを受け、生活費15万円では老後資金が途中で底をついてしまうということで11万円に見直します。

家計簿を長年つけていらっしゃって、すべて底値買い。買い物は、値引きシールが貼られたものを選ぶ、涙ぐましくも頼もしい節約ぶりです。冷蔵庫の中の写真が我が家の冷蔵庫空っぽデーと同じだったので、自分の将来の自分を見るようでした。

この本はリアルに、老後のお金や生活が想像できるので、漠然と老後が心配だと思っている人にはおすすめです。

15万円の幸せ

この本のテーマは15万円で、幸せな老後生活を送ることです。幸せのカタチは人それぞれですから、「これがなきゃ」「あれがしたい」「これも食べたい」というこだわりがある人は、15万円では幸せな老後生活は送れないかもしれません。

老後は、お金に自分の生活を合わせるか、自分の理想の老後生活にお金を合わせるかどちらかです。ただここで気をつけておきたいのは、節約にも限界があることと、物価が上がっても同じように年金が上がるとは限りません。将来、節約だけでは絶対たりない……。という人は、今から年金の上乗せを考える、運用する、老後も働くといったことを考えておかなくてはいけません。

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