日本のドラマは小説や漫画などのしっかりした原作がある場合が多く、わかりやすい感情表現の韓国ドラマとは対極の繊細な感情表現が描かれることから、韓国のドラマ制作者たちから注目されるようになり、2007年あたりから、盛んにリメイクされるようになりました。
しかし、すでに内容や結末がわかってしまうリメイクドラマゆえに、視聴率面では苦戦する場合もあります。
韓国医療ドラマのパイオニアとなった『白い巨塔』
キム・ミョンミンの迫真の演技に注目
もちろん、韓国にも医療現場を舞台にしたドラマはありましたが、医師と患者たちのヒューマンストーリーのようなものが多かったため、組織の中の対立構造に着眼した骨太のストーリーが新鮮に受け入れられ、大きな反響を巻き起こしたのです。
原作の財前五郎にあたる主人公チャン・ジュニョク役を演じたキム・ミョンミンは数々の賞を受賞し、押しも押されぬトップ俳優に。また、本作のヒットによって医療ドラマが盛んに制作されるようになり、人気ジャンルとして定着するに至りました。
これまで韓国ドラマでは不可欠であった恋愛要素を排除する一方で、原作には描かれていない情愛を盛り込んだことが韓国版『白い巨塔』の特徴で、韓国版にしかないオリジナルエピソードもあるので、日本版のファンの方々にもぜひ見ていただきたい作品です。