中国SNS企業の新星が米国に新規上場
中国株の新生が米国に新規上場。まだまだ規模は小さいが、成長余地が大きいIT企業だといえそう
2年ほど前から、米国上場の中国企業の間で複数の不正会計が見つかり、上場廃止銘柄が相次いで米国人投資家も痛手を受けました。このため米国は、投資家保護の観点から中国企業の上場のあり方に対して厳しい姿勢を取り、2012年3月から中国企業の米国上場は途絶えていました。
YYは中国企業の上場ブーム中断後に初めて上場してきた中国企業です。それだけに同社に不正があれば大問題ともなりえ、厳正な審査の中で上場にこぎ着けたのではないかと推測します。
2012年の売上高は1億3163万米ドル、従業員数1300名と、非常に小さなサイズの銘柄です。ただ急成長しており、2013年の売上高の予想平均値は、2012年に比べ+82.2 %増となる2億4000万ドルです。
同社の規模感は、ちょうど2011年4月にIPOデビューした奇虎360 (QIHU)の上場直後のものに似ています。ただ上場後の両社の株価は対照的です。上場後1年ほど低迷した奇虎360と違い、YYの株価は非常に好調です。YYの公開価格は10.50ドルでしたが、2013年6月には30.95ドルまで上昇しました。
トップファンダメンタルズ銘柄のチャートパターンを模倣
株価の動きを見ると、高値をつけてはカップ型の調整をこなし、そして再び出来高をともなってブレークを果たすと一段高、という流れ。トップファンダメンタルズ銘柄のチャートパターンを模倣している様子です。すでに2度、カップ型の調整を上にクリアし、いずれも50日移動平均線がサポートになっている点もトップ銘柄と共通点があります。同社は広東省に本拠を持ち、主に若者が娯楽などを目的に集うソーシャルサイトを運営します。そこでは動画、チャット、テキストなどを通じ、知らない者同士がゲームや音楽、動画ショー、カラオケなどを共有できるほか、オンラインでの会議や教育(授業)も行われています。メンバーは一対一でライブチャットができるほか、グループで共通の関心事についてコミュニケーションもできます。
2011年3月には音楽のストリーミングサービスを開始し、その収入は2012年に5.4倍となりました。またオンラインゲームも収益の柱であり、ゲームで使用できるバーチャル・グッズも販売します。
また、これらのソーシャルプラットフォームとは別にポータルサイトも運営しており、そこではテンセント(香港00700)やネットイーズ(NTES)、パーフェクトワールド(PWRD)社などの人気ゲーム情報などが紹介されています。このポータルサイトから同社は広告収入を得ています。
YYの登録会員数は4億5700万人もあり、そのうち7000万人が頻繁にサイトを利用するアクティブユーザーです。4億人というユーザー基盤も奇虎360科技と似ています。
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