相続・相続税/相続税改正トピックス

内縁、非嫡出子は冷遇?相続格差の課題

相続におけるトラブルのひとつに、内縁関係の相続権や、非嫡出子の相続分の「相続格差」があります。「相続格差」の現状、今できる問題回避の方法、諸問題の今後の課題をご紹介します。

小野 修

執筆者:小野 修

相続・相続税ガイド

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「もめないように平等に相続したい」

多くの相談者からよく聞く言葉です。しかし、法律婚を重んじる日本の相続においては、内縁関係の夫婦など、結婚していたか否かで「相続格差」が生じる人がいます。今回は「相続格差」の現状、今できる問題回避の方法、今後の課題をご紹介します。

そもそも内縁とは?

婚姻届を出していない理由は様々

婚姻届を出していない理由は様々

内縁とは、実質的に夫婦として生活しているが、婚姻届を出しておらず法律上は夫婦でない関係を指します。配偶者としての権利などは婚姻による夫婦とほとんど変わりませんが、最も大きな違いとしては、配偶者としての相続権がないという点です。

なお、内縁は俗に「事実婚」ともいわれますが、何らかの事情で婚姻届を出せない状態を内縁、意図的に婚姻届を出さないことを事実婚と使い分けることもあるようです。

内縁の配偶者には相続権がない

前述の通り、内縁の配偶者には相続権がありません。これまで苦楽を共に生活し支え合ってきたパートナーの財産を、一切相続することができないのです。パートナーに法定相続人(法律上の配偶者、子、親、兄弟姉妹)がいた場合は、財産は全て法定相続人が相続することになります。

非嫡出子が受ける相続格差

結婚していない男女間の子(非嫡出子または婚外子)の相続割合(法定相続分)には、嫡出子の2分の1になるという民法の規定、いわゆる「相続格差」があります。

具体例としては、被相続人Aの財産120、疎遠の法律上の妻B、AとBの子CとD、内縁の妻E、AとEの子FとGがおり、法定相続分で分けるとしますと、Bが60、Cが20、Dが20、Fが10、Gが10を相続することになり、Eは0ということになります。同じAの子であっても、CとD、FとGの間で格差が生じてしまいます。

ここでひとつ注意したいのが、「非嫡出子=格差」ではないという点です。というのも格差は前記のように「嫡出子と非嫡出子がいるケース」で生じます。Aの子が非嫡出子しかいない(CとDがいない)場合は本来の法定相続分で計算され、Fが30、Gが30となります。

「相続格差」問題を解決するには?続きは次ページ>>>
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