預貯金の預け先はいくつまで管理できる?
まとまった金額を預ければ金利がオトクに
預金金利に敏感な人ほど、少しでも高い金利を求めて、次々と新しい銀行に定期預金をつくり、気づいたら預け先が多くなりすぎてしまった……ということになりがちです。
確かに、預金残高が1000万円を超えたら、1つの銀行などに預けっぱなしにするよりは、万一の経営破たんに備えて、預け先を少し分けたほうが安心です。1000万円も預金がない場合でも、貯蓄専用口座は、給与振込口座や生活口座のある銀行とは別の銀行にすることで、ムダ使いを防ぎ、貯蓄残高が把握しやすくなることもあります。
しかし、このような場合でも、取引する金融機関は2つか3つあれば、十分ではないでしょうか? 証券会社の口座を含めても、一人につき4つか5つくらいまで。これ以上多くなると、ノートやパソコンなどに資産の一覧表をつくり、こまめにチェックしないと、自分の貯蓄状況や運用中の資産を上手に管理するのは難しくなります。
何より、ある程度の貯蓄があっても、まとめて預ければ受けられるはずの金利優遇を、分散しすぎたことで受けられず、機会の損失になることもあるのです。
一定額以上の残高で、定期預金に上乗せ金利がつく銀行も!
銀行によっては、取引状況や預け入れ資産の残高などで、振込やATMの手数料を優遇する独自のサービスを実施しています。各種手数料の優遇も利用価値は大ですが、預金金利の上乗せがあれば、もっとうれしいと思いませんか?たとえば、新生銀行の「新生ステップアッププログラム」では、取引状況に応じて新生プラチナ・新生ゴールド・新生スタンダードという3つのステージに分かれ、プラチナとゴールドに当てはまれば、定期預金の金利に上乗せがつきます。プラチナは月間平均残高で預け入れ資産が2000万円以上、所定の投資商品が300万円以上とややハードルは高くなりますが、ゴールドの場合、月間平均残高で預け入れ資産200万円以上、所定の投資商品30万円以上などの条件でクリアできます(それぞれほかにも条件あり)。
プラチナとゴールドになると金利の優遇が受けられ、定期預金などの金利がスタンダードの人より高くなります。キャンペーンで金利優遇がある場合は、優遇幅は同じこともありますが、過去にはキャンペーンの優遇金利に加えて上乗せ金利がついたこともありました。
東京三菱UFJ銀行の「メインバンクプラス」でも、月末の残高や取引状況に応じた3つのステージによって、金利優遇を実施することがあります。当てはまる人は、ときどきチェックしてみるといいでしょう。
預金残高と証券口座の合計でも、優遇金利が利用できる!
大和ネクスト銀行と、大和証券の両方に口座を持つ人は、「ダイワのツインアカウント」のプレミアムサービスに注目を。こちらは<大和証券での預け入れ資産+大和ネクスト銀行の残高+保険契約資産>の3つの合計評価額が1000万円以上あれば、プレミアプラチナ・プレミアゴールド・プレミアシルバーのどれかに当てはまり、それぞれのステージに応じて定期預金の金利が高くなります。証券会社での預け入れ資産と、銀行預金の合計であれば、1000万円以上になる人もけっこういるのではないでしょうか。大和ネクスト銀行は、ネット銀行のなかでも預金金利は高めですが、条件に当てはまれば、さらに通常より高くなるのは魅力です。
貯蓄の預け先などはときどき見直してみることが大切です。預け替えや新規の口座開設を考える際は、預金残高や投資信託などを含めた預け入れ資産に応じて、金利の優遇がある銀行を選ぶことも、手持ち資産の利回りを上げるひとつの方法になります。