「セブンカード」の新規受付は終了
セブン&アイ系列の店舗でよく買い物をする人はセブンカード・プラスに注目!
これまで、カードが2種類存在したため、「どちらがよりお得なのか?」で頭を悩ませる人もいたでしょう。セブンカード・プラスとセブンカードでは、微妙ですが、サービス内容に違いがあったからです。そこで、2つのカードの違いについて、おさらいをしておきましょう(注:すでにセブンカードを保有している人はそのまま使えます)。
セブン&アイ系列4店舗では1.5%の高還元率
まず、それぞれのカードを使って、貯まるポイントに違いがありました。セブンカード・プラスでクレジット決済をすると、電子マネーの「nanaco」と交換ができるnanacoポイントが貯まります。一方、セブンカードで貯まるのはセブンカード/アイワイカードのポイント。セブンカード/アイワイカードのポイントは、nanacoポイントと等価交換できますが、交換する手間が必要。その点、セブンカード・プラスは直接nanacoポイントが貯められるので、nanacoユーザーには便利といえます。また、ポイント還元率の優遇サービスとして、セブン-イレブン、イトーヨーカドー、ヨークマート、デニーズの4店舗でクレジット払いをすると、2枚とも1.5%相当という高還元率になります。ただし、セブンカード・プラスは、クレジットカードの月間利用金額の合計が対象ですが、セブンカードの場合は、1回1回の会計時の金額が対象。つまり、セブンカード・プラスの方が、効率よくポイントを貯めることができます。
セブンカードのメリットも捨てがたい
上記2点は、セブンカード・プラスのメリットですが、セブンカードにもメリットがありました。1つめは年会費です。セブンカード・プラスの年会費は1000円(税込。初年度は無料)で、セブンカードの500円(同)よりも500円高い設定です。しかし、いずれも年間5万円以上利用すると翌年の年会費が無料となります。年間5万円は月間では約4200円。この程度であれば、年間5万円をクリアするのはそれほど難しくはないので、実質無料と言えるのではないでしょうか。2つめは、イトーヨーカドーで利用する際、クレジット払いをしなくても、カードを提示すれば、現金払いでも100円につき1ポイントが貯まること。これはセブンカードだけのサービスでした。
3つめは、セブンカードには、累計ボーナスポイントがあることです。毎年4月から翌年3月末までの1年間のうちに、イトーヨーカドー、ヨークマートで利用した合計金額(税抜き)に応じて、ボーナスポイントが加算されます。具体的には、合計金額が100万円で3000ポイント、150万円で1万ポイント、150万円超は100万円ごとに1万ポイントが、それぞれボーナスとしてもらえます。このサービスはかなりハードルが高いように見えますが、日々の買い物をほぼイトーヨーカドーとヨークマートで済ます、という人であればクリアできる可能性は十分です。
さらに、セブンカードには家族カードがあり(年会費200円)、家族カードの利用金額も年会費が無料になる年間5万円の利用という条件の対象となっていました。以上のように、わずかな違いではありますが、2つのカードにはサービスで異なる部分があったのです。
セブンカード・プラスの新サービスがスタート!
冒頭でも述べましたが、セブンカードは新規発行が終了してしまったので、これからカードを作ろうという人は、現状、セブンカード・プラスの一択となってしまいました。ただ、おさらいしたような従来のセブンカードのサービスが利用できないことを、残念に思う人も少なくないのでは?そんな人に朗報がありました。14年10月より、セブンカード・プラスのサービス内容が改定され、セブンカードだけのメリットが、ほぼセブンカード・プラスでも利用できるようになったのです。累計ボーナスポイントは同じように貯まり、さらに、イトーヨーカドーだけでなく、ヨークマートでも、カードを提示すれば現金払いで100円につき1ポイントが貯まるようになりました。いずれもnanacoポイントが貯まります。また、家族カードも発行可能となりました(年会費は500円)。新規発行が終了したセブンカードが、実質的にセブンカード・プラスに統合された、とみていいでしょう。
セブンカード・プラスの弱点とは?
となると、セブンカード・プラスが、nanacoを貯められる最強のカードといえそうですが、弱点があります。その理由は、セブンカード・プラスでnanacoをチャージすることはできますが、チャージポイントは貯まらないからです。電子マネーのチャージ(=入金)にクレジットカードが使えることは、多くの人が知っていると思いますが、カードの中には、チャージの際にチャージポイントが付くカードがあります。電子マネーの種類によってチャージポイントが付くカードは異なり、同じカードであっても、国際ブラントの種類によってチャージポイントが付いたり付かなかったりします。
nanacoは、セブン&アイホールディングスが発行しているので、当然、セブンカード・プラスでチャージをすると、チャージポイントが付くと連想されがち。しかし、実際はそうではありません。チャージポイントが付くカードは他に存在しています。具体的には、「リクルートカード」「SoftBankカード」「漢方スタイルクラブカード」「ファミマTカード」etcです。
チャージポイントで高還元率を実現
こうしたカードの中には、年会費が有料ながら、漢方スタイルクラブカードのように、nanacoをチャージすると、還元率にして1.75~2.0%分のポイントが貯まるものがあります(前年の利用金額によって還元率は変わる)。また、リクルートカードであれば、年会費無料で還元率1.2%のチャージポイントが付きます。チャージしたnanacoをセブン-イレブンやイトーヨーカドーで使えば、1%分のnanacoポイントが貯まるので、合計の還元率は2%以上になります。セブンカード・プラスのクレジットカード決済による還元率1.5%が、かすんでしまいます。
チャージポイントが「最強」の条件
実は、電子マネー「楽天Edy」も同じような状況でした。楽天Edyを楽天カードでチャージしてもチャージポイントは付きませんが、他のカードでは付くのです。ただし、昨年から、キャンペーンというかたちで、楽天カードによるチャージでもチャージポイントが付くようになりました。もしかすると、nanacoとセブンカード・プラスにもキャンペーンといった形式で、試験的に導入されるかもしれません。もし、セブンカード・プラスにnanacoのチャージポイントが0.5%でも付いて、nanaco決済でも系列4店舗で1.5%の還元率が提供されれば、トータルの還元率は2%となります。使い勝手などのトータルのスペックで、ほかのチャージポイントが付くカードを凌ぐのではないでしょうか。名実ともにnanaco最強カードというわけです。