「グラッシェル」の多彩なアントルメグラッセ
「フォレノワピスターシュ」は、フランスのアルザス地方の伝統的なケーキで“黒い森”を意味する「フォレノワール」を、現代的なアントルメグラッセとしてアレンジしたもの。元々のお菓子は、白いクリームとチョコレート、チェリーを組み合わせたものですが、江森シェフがアレンジを加え、チョコレートのアイスクリームの上にココア生地とチェリーのコンポートをサンドし、その上に鮮やかなグリーンのピスタチオのアイスクリームとソルベを乗せ、より美しく印象的な色彩に仕上げました。杏仁を思わせるややビターな香りのピスタチオが大人向けです。凍らずしっとりしたままのチェリーの歯触りと甘酸っぱさがアクセントに。
「オランジュリー」の二層になったベースの下は、ヨーロッパで好まれるバレンシアオレンジを使った、ややビターな味わいのオレンジのソルベ。オレンジ果肉のコンポートもたっぷりと入っていて、サクリとした心地よい食感です。さらに、江森シェフが各地を巡って素材を探す中で出会った愛媛県産のダイダイ果汁を隠し味に加え、さわやかな香りに仕上げています。上の層はバニラアイスに自家製のオレンジマーマレードをブレンドしたもの。上の白い部分はマスカルポーネのシャーベットで、ミルクよりも少しコクがありオレンジの酸味やビターさをまろやかに受け止めつつ、後味はさっぱりとキレのいい組み合わせです。周りを包む生地にもオレンジの皮で香りを添え、あえて鮮やかなオレンジ色にして、見た目でもインパクトを出しています。
「ダコワーズ」は、フランスで愛される濃厚な苺のケーキ「フレジェ」を思わせるスタイル。ケーキの場合、ビスキュイ・ジョコンドという生地で苺とクリームをサンドするのが定番ですが、このアントルメグラッセの中身は苺ではなくフランボワーズで、しっとりしたダコワーズ生地でバニラとフランボワーズをマーブルにしたグラスを挟んでいます。
この「ドゥーブルグラッセマンゴー」、どこかで見たことがありませんか? こちらは、「グラッシェル」ブランドを起ち上げた北海道の人気店「ルタオ」で人気の二層チーズケーキ「ドゥーブルフロマージュ」をアントルメグラッセ仕立てにした物の、夏限定バージョンです。下の層は濃厚なマンゴーとクリームチーズのアイスクリーム、上の層はさっぱりしたマスカルポーネのシャーベット。マンゴーとクリームチーズのスフレ生地のふんわりした食感も、ケーキを食べた時のやわらかな印象を再現しています。
ここでご紹介したのは、「グラッシェル」の数あるアントルメグラッセのほんの一部。チョコレート味の物、マンゴーを贅沢に使ったものなど、江森シェフ考案のレシピはまだまだ多数あり、たとえば秋には栗やさつまいもを使ったもの、クリスマス時期にはブッシュ・ド・ノエル形のアントルメグラッセを出すなど、季節限定、期間限定品も続々と登場予定です。
次のページでは、「生グラス」をはじめ、アントルメグラッセ以外にも注目したい「グラッシェル」お薦めの品をご紹介します。