財布は使い勝手が判断しやすい道具の一つ

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スーパークラシック「旅行財布」9600円(税込) 色は写真のチョコの他、ネイビー、キャメルがある。

財布は、機能と使い勝手がほぼ直結しているので、新しい財布を導入して、ものの2日も使えば、それが自分にとってどの程度の使いやすさかがいきなり分かってしまう、そんな、中々恐ろしい道具の割に、意外にみんな、なんとなく使ってしまっているのは、分かって、でも、まあ、こんなもんだよな、とも思ってしまえる道具だからなのでしょう。お金の出し入れに苦労しなければ、普通に使えてしまいます。だから、人によっては、「ジップロックでいいよ」という事にもなるし、それもまた財布という道具の一つの形だと思います。

ただ、時々、使い始めた瞬間に「あ、これは!」という感じがして、そのまま使い続けてしまうような財布もあって、財布にも「機能」があるといいんだなあ、とか考えたりします。m+やrethinkの財布を初めて使った時の衝撃は、今でも憶えていますし、スーパークラシックの「薄い財布」の割り切りの潔さにも感動しました。財布というのは、意外に機能を追い込んでデザインすると、凄いものが出来上がるんだな、と思ったものです。

財布の原点を見直すような構造と設計

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開くと、まるで長財布に大きな冠(かぶせ)が付いている感じ

スーパークラシックの「旅行財布」も、そういう、使い始めた瞬間に、色んな事が伝わってくる財布でした。「二つ折り財布なのに長財布のように使える」というコピーは、元々、長財布の機能を分割して二つに折れるようにしたのが二つ折り財布だったんだな、と再認識させてくれるものでしたし、ほとんど革袋のような質感にも、財布の原点を見せてもらったような気がして、使い勝手以前に、とても面白いのに、とてもベーシックな匂いがする、正に「スーパークラシック」な財布だな、と、思ったのでした。
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内部も、ほぼ長財布。コインケース部にフタがないこと、カードケース部が二つのポケットに別れている事が大きな特徴。

通常、二つ折り財布は、二つに折った面を、コインケースやカードケースにするスタイルで、それは「二つに折った形」から機能を付けていく発想でデザインされたものです。「旅行財布」は、多分、長財布を折る、という所から機能を考えたもののような気がして、そうだったとしたら、それは、二つ折り財布の原点回帰なんですね。そして、柔らかな使い心地は、「財布は元々は袋だった」という事実を思い起こさせてくれます。使い始めて、いきなり馴染んだのは、多分、プリミティブな意味で、とても財布らしい財布だったからではないかと思ったのです。

各機能の詳細をチェック

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底が斜めになっているので、一方向の角にコインが集まり、出し入れがスムーズ。見通しも良いからコインを確実に欲しいだけ取れる。

まず、コインケースがケースではありません。普通に札入れと同じような袋で、片側からもう片側にかけて底が斜めになっているだけです。この斜めの底のおかげで、コインは二つ折りの片方の辺に集まり、コインケース部が袋状なので全体に柔らかく、指を入れて取り出しやすくなっているのです。最近、長財布で流行の、一面全体がコインケースというスタイルを踏襲しながら、底を斜めにするというアイディアだけで、二つ折りを可能にしているわけです。
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コインケースの向こう側が札入れ。通常の二つ折りの札入れとは畳む方向が逆になるが、大きく開くので出し入れはスムーズ。中の紙幣も数えやすい。

札入れは普通に札入れです。ただ、ここも芯がない、柔らかい革に布の裏地を貼った構造ですから、とても柔らかく、札がピンとしている方が好きな人には向かないかも知れません。ガイド納富は、この全体にくたっとした感じが、とても手に馴染むし、中身の出し入れもスムーズなので好きなのですが、ここは、好みが分かれる所かも知れません。もっとも、二つ折り財布が好きなら、札が多少フニャフニャしても気にならないと思います。札入れ部分は、形こそ長財布と同じだけれど、二つに折った場合、最も長財布的でなくなるというのも、まあ当たり前ですが面白いと思うのです。
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カード入れは、複数枚入るポケットが二つ。それぞれのポケットのマチに余裕があるので、沢山入れても探しにくくない。

カード入れは、最も考えた部分だと思うのですが、二つに分けてポケット式にするというのは、シンプルだし、全体に柔らかいという素材の特性を上手く使って、大量のカードを入れても、指を差し込みやすいなど、使い勝手も良く、問題の解決方法としてスマートだと思いました。これは余談ですが、スーパークラシックの財布は、これまで、カードは五枚以下に絞る、という使い方を提唱していたせいか、この「旅行財布」の12枚入れても余裕がある状態は、もう大量に入ると言っても良い感じです。ガイド納富は、片側にクレジットカード、キャッシュカード、スイカを、もう片側にポイントカード関係と名刺を、といった形で使い分けています。

一石二鳥の働きをする大きな冠(かぶせ)

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大きな冠(かぶせ)が全体のフタの役割を果たしつつ、支払い時には相手に対する目隠しになる。

「旅行財布」の最も大きな特長は、財布全体に大きく被さる冠部分でしょう。これが、全体のフタにもなり、また支払い時の目隠しにもなるわけです。このフタのおかげで、コインケースに蓋を付ける必要がなくなり、そのおかげで、財布全体にほとんど金属部品を使わず、柔らかい全体を守ることが出来ています。海外旅行時のセキュリティアップのための目隠しがある、というのも、心強い構造。この一石二鳥感が、スーパークラシックらしいですね。
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コインケースにも蓋がないので、長財布以上に全体を見通せるのだ。

実際に使ってみて気がつくのは、支払い時の全体の見通しの良さです。紙幣が何枚、コインが何枚、カードはどこに何がある、といった財布の中の状況がとても把握しやすいのです。だからこそ、冠による目隠しが重要な意味を持つという事でもありますが、この見通しの良さと、支払い時の長財布同様の操作感は、これまでの財布にはなかったものです。コインの出し入れも、コインケースが立ち上がるタイプの財布と比べても遜色ないスムーズさです。

ガイド納富の「こだわりチェック」

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折り畳むと手のひらに乗るコンパクトサイズ。ウォレットチェーン用の穴も用意されている。

もちろん、欠点がないわけではありません。例えば、冠を外側にして二つ折りするために、ポケットから取り出す際に折り目が引っ掛かるとか、支払い時の動作的には冠を内側に折り込んだ方が動作がスムーズといった事があるのですが、冠を内側に折り曲げると、全体がゴロンとしてしまうので、これはもう、欠点と言うより、どちらを取るか、という問題です。そして、実際に使ってみると、確かに、ポケットから出す時に冠の折り目が引っ掛かることはあるのですが、それ以上に、折り曲げる時のスムーズさの方が重要と言うか、優先順位が高いことは分かりました。この構造だと、重なる部分が少なくないと、上手く機能しないのですね。札入れが一つなのも、機能よりも重なり部分を少なくすることを選択した結果でしょう。このあたりの選択は、「薄い財布」や「小さい財布」で、シビアな割り切りを経験しているスーパークラシックならでは。

大量のカードと大量の紙幣を持ち歩く人には、あまり向かないかも知れませんが、紙幣も20枚程度なら問題ないですし、カードも16枚程度は普通に入れられますから、ガイド納富の日常使いの財布としては便利に使えています。何より、財布を開いた時の全体の見通しの良さと、そこから来るアクセスの速さが有り難いです。強いて問題を挙げるなら、コインが多い場合に、折り目の所にコインが来てしまうと、上手く折り畳めない事があるのですが、これも、ちょっと指コインの場所をずらしてやればいいだけです。何とも、上手作ったなあと、毎日感心しながら使っています。


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