私たちが日常生活を快適に過ごすためにも、シックハウス対策は特に注意しなくてはいけないことの1つであるといえます。
あなたの物件選びのポイント第4回目は、シックハウスを未然に防ぐにはどうすればいいのかを考察していきたいと思っています。
シックハウス症候群って?
シックハウス症候群になると体調が悪くなったり健康障害が現れます |
新築住宅に住み始めたり、家を新しくフォームした時に住宅の建材から室内に発生する揮発性化学物質やダニアレルゲンが原因でシックハウス症候群になると言われています。
シックハウス症候群になると体調が悪くなったり健康障害が現れます。
シックハウス症候群の症状を以下にあげますので当てはまるものにチェックしてみましょう。
複数当てはまる人は要注意です!
・頭痛になることが多い
・喉の痛みを感じる
・眼が痛む
・鼻炎である
・嘔吐する
・呼吸器障害になった
・めまいを起こす
・皮膚に炎症が起こっている
今年のはじめに、シックハウス症候群を苦に自殺したという事件もありましたが、後々になってその事件はシックハウス症候群ではなく、化学物質過敏症と考えられるということを聞きました。
住環境に起因する健康障害とシックハウスは知られていますが、まだまだ解明されていない部分が多く,
一概に決め付けてはいけない・・・ということも頭に置いておきたいですね。
シックハウスって防げるの?
新築住宅を買ったらシックハウスだった!なんてことがあったら大変です。ではそれを未然を防ぐ方法はあるのでしょうか?
○シックハウスを防ぐ住宅の基準
みなさんは「住宅性能評価」をご存知でしょうか?
住宅性能評価とは、第三者の評価機関が以下の9つの項目について評価する制度です。
1)構造の安全 2)火災時の安全 3)劣化の軽減
4)維持管理への配慮 5)温熱環境 6)空気環境
7)光・視環境 8)音環境(選択項目) 9)高齢者への配慮
しかしながら、住宅性能評価がついた新築物件は2003年度で総戸数の10%前後となっており、非常に数が少ないのが現状です。また、室内濃度測定は任意であるため性能評価がついた物件でも、ほとんど測定されていません。
○自分たちでも防ぐ方法ある?
では、自分たちでもシックハウス住宅の購入を未然に防ぐことはできるのでしょうか?
先ほど住宅性能評価についてお話しましたが、この制度を利用することは可能です。
ここでは、3つの方法をご紹介します。
・住宅性能評価を行っているサービス会社に検査を依頼する
・全国の建築士会や建築住宅センターなどでホルムアルデヒド簡易測定器を
借りて測定する
・シックハウス対策を行っている業者選びを念入りに行う
住宅性能評価サービス会社に検査を依頼すると、建築時、耐震、耐火検査などとともに、ホルムアルデヒド対策も検査してくれます。また、価格物質5種類の室内濃度測定だけを依頼することもできます。
また、ホルムアルデヒド簡易測定器は、1000円程度で借りることができますので是非活用してみてください。
上記3つの中で一番むずかしそうなものがシックハウス対策を行っている業者選びですが、建材に含まれる科学物質を記したデータシート「MSDS」の提出を業者側に求めることも業者選びの一つの目安になります。
新築しちゃった!リフォームしちゃった!という人のために・・・
○新築住宅を建てたあなたへ新築後、完成後約2~3週間通気させてから入居しましょう。それが無理な場合は・・・室内の温度を意識的に上げ(35~40℃)、放散を強制的に促進させ室内汚染を低減させる方法をとりましょう。
しかし、ホルムアルデヒドに関しては放散効率が悪く、一時的に濃度が減少しても再び上昇し、低減効果は少ないとされています。
また、温度を上げすぎると内装材が剥がれたり、建具が反ったりするので注意が必要です。
○住宅をリフォームしたあなたへ
内装のリフォームを行った場合は上記にあげた新築同様の措置をとりましょう。
やむを得えない理由で居住しながら内装工事をする場合は施工業者と相談し、ほこり、粉塵などを含め空気環境に充分配慮する計画を立てましょう。
これらの現状を踏まえると、建材メーカー、施工者、そして私たち消費者も自らの手で安全健康を確保する事を考えなくてはいけないようですね。