ツインエアはイタリア車らしさを演出
走りの方はといえば、まずまずの完成度だ。900ccツインエアは、相変わらず快活で、イタリア車らしい調子のよさを演出している。けれども、正直にいって、フィアット500のときほど、双手をあげてこりゃ楽しいぞ、と思えたわけじゃない。クルマのキャラクターが違うから当然なのだけれども、重量があるぶん、どっしりとしていて、良く言えば落ち着いているし、悪く言えば、少しのろまだ。いずれにしても、イタリアの実用車イメージ=スペックや見栄えがイマイチでも走りは機敏、には、ちょっとそぐわない。
おそらく。ボディとシャシーはすごくしっかりとしているので、きっと非力なツインエアよりも、小さなディーゼルターボの方がお似合いだろう。ツインエアの魅力を楽しみたいのであれば、パンダではなく、500やイプシロンを選んだ方が幸せかも。
5速のロボタイズドミッションは、かなり成熟してきた。とはいえ、スムースに走らせるためには、やっぱり、3ペダルを操るような変速のコツを習得した方が、断然、気分もいい。もしくは、積極的にマニュアル操作を楽しむか、のどちらかだ。最新のフィアット500では、デュアロジックの熟成が進んでいた。もう少し待てば、パンダ用も熟成の進んだタイプが搭載されるはず。
もっとも、MTベースのシングルクラッチには、スムースになると言っても限界がある。結局のところ、シフトアップ時のつんのめり感が消えることはない。コツをマスターするのもまた、この手のクルマの楽しみだと思った方が、良さそうだ。