FIAT(フィアット)/フィアットの試乗レビュー・車種情報

走りはまずまず、パンダがちょっと“大きく豪華”で(2ページ目)

往年の名車“パンダ”が3代目へとモデルチェンジ。しっかりしたボディに、快活でイタリア車らしいツインエアエンジンを搭載する。わずかにサイズも大きくなり、凝ったディテールのスタイリングやインテリアなどを見るにつけ思うことは……。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド


ツインエアはイタリア車らしさを演出

フィアットパンダ

最高出力85ps/最大トルク145Nmを発生するツインエアエンジンを搭載、ATモード付き5速シーケンシャルミッションのデュアロジックを組み合わせる

走りの方はといえば、まずまずの完成度だ。900ccツインエアは、相変わらず快活で、イタリア車らしい調子のよさを演出している。けれども、正直にいって、フィアット500のときほど、双手をあげてこりゃ楽しいぞ、と思えたわけじゃない。

クルマのキャラクターが違うから当然なのだけれども、重量があるぶん、どっしりとしていて、良く言えば落ち着いているし、悪く言えば、少しのろまだ。いずれにしても、イタリアの実用車イメージ=スペックや見栄えがイマイチでも走りは機敏、には、ちょっとそぐわない。

おそらく。ボディとシャシーはすごくしっかりとしているので、きっと非力なツインエアよりも、小さなディーゼルターボの方がお似合いだろう。ツインエアの魅力を楽しみたいのであれば、パンダではなく、500やイプシロンを選んだ方が幸せかも。
フィアットパンダ

アイドリングストップ機構(START&STOPシステム)を採用。渋滞やヒルホールドシステムが作動するような上り坂では一時的に作動しない便利な設定も。JC08モード燃費は18.4km/lとなる

5速のロボタイズドミッションは、かなり成熟してきた。とはいえ、スムースに走らせるためには、やっぱり、3ペダルを操るような変速のコツを習得した方が、断然、気分もいい。もしくは、積極的にマニュアル操作を楽しむか、のどちらかだ。最新のフィアット500では、デュアロジックの熟成が進んでいた。もう少し待てば、パンダ用も熟成の進んだタイプが搭載されるはず。

もっとも、MTベースのシングルクラッチには、スムースになると言っても限界がある。結局のところ、シフトアップ時のつんのめり感が消えることはない。コツをマスターするのもまた、この手のクルマの楽しみだと思った方が、良さそうだ。
フィアットパンダ

ボディカラーは6色を用意。ABSやヒルホールドアシストを組み込んだESC(エレクトロニック・スタビリティ・コントロール)など安全装備も備える

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