「丹後あおまつ2号」の旅、その2(宮津~福知山)
宮津を出ると、天橋立駅、豊岡方面への路線と分かれ、福知山へ向う宮福線に乗入れる。1988年に開業した比較的新しい路線のため、高架区間も多く、新幹線に引けを取らないくらい立派な造りだ。単線ながら電化されていて、新大阪や京都からJR直通の特急電車が乗り入れてくる。「あおまつ」「あかまつ」はディーゼルカーなので、頭上の架線の恩恵を受けていない。面白いことに、北近畿タンゴ鉄道が保有する車両はディーゼルカーばかりで、電車を1両も所有していない。従って、宮福線を走る普通列車はディーゼルカーばかり。たまに走る電車は、特急を含めすべてJR西日本からの乗入れ車両だ。さきほどとは打って変わり、車窓から見えるのは山ばかり。20世紀末開業だけあって、一昔前のローカル線のように地形に沿って曲がりくねるルートを取らず、カーブがゆるやかでトンネルも多い。このあたりの車窓のメインは鬼退治伝説で有名な大江山なのだが、長いトンネルに遮られて、生憎車窓から確認することはできない。
車窓から見えるのは闇ばかりなので、売店となっているサービスカウンターを覗いてみよう。地ビールやお酒にソフトドリンク、軽食のほか、車両の絵葉書、クリアファイル、コースター、シールなどのグッズも売っている。脇にスタンプ台もあるので、乗車記念に先ほど貰った記念乗車証に押しておこう。
時折、対向列車と行き違いしながら、大江に停まり、牧を過ぎてトンネルを抜けると、JR山陰本線と合流する。山陰本線に駅はないけれど、北近畿タンゴ鉄道には、荒河かしの木台、厚中問屋と二つの駅に停車し、高架区間になって終点福知山に到着する。