鉄道/観光・イベント列車

北近畿タンゴ鉄道の「丹後あおまつ、あかまつ」号(3ページ目)

日本三景のひとつ天橋立を沿線の目玉観光地にもつ北近畿タンゴ鉄道(KTR)の新しい観光列車「丹後あかまつ号」「丹後あおまつ号」が2013年4月にデビューした。青い車体の「あおまつ」と赤い車体の「あかまつ」とをつないだ2両編成で、外装、内装を担当したのは、JR九州の観光列車で定評のある水戸岡鋭治氏。彼が、近畿地方の列車をデザインするのは、和歌山電鐡に続く2例目である。どんな列車なのか、試乗記を交えて紹介しよう。

野田 隆

野田 隆

鉄道 ガイド

名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL・D51を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、「ヨーロッパ鉄道と音楽の旅」を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。

...続きを読む

「丹後あおまつ2号」の旅、その2(宮津~福知山)

分岐して福知山へ

宮津を出ると、分岐して福知山へ

宮津を出ると、天橋立駅、豊岡方面への路線と分かれ、福知山へ向う宮福線に乗入れる。1988年に開業した比較的新しい路線のため、高架区間も多く、新幹線に引けを取らないくらい立派な造りだ。単線ながら電化されていて、新大阪や京都からJR直通の特急電車が乗り入れてくる。「あおまつ」「あかまつ」はディーゼルカーなので、頭上の架線の恩恵を受けていない。面白いことに、北近畿タンゴ鉄道が保有する車両はディーゼルカーばかりで、電車を1両も所有していない。従って、宮福線を走る普通列車はディーゼルカーばかり。たまに走る電車は、特急を含めすべてJR西日本からの乗入れ車両だ。

グッズ

あおまつ、あかまつグッズ

さきほどとは打って変わり、車窓から見えるのは山ばかり。20世紀末開業だけあって、一昔前のローカル線のように地形に沿って曲がりくねるルートを取らず、カーブがゆるやかでトンネルも多い。このあたりの車窓のメインは鬼退治伝説で有名な大江山なのだが、長いトンネルに遮られて、生憎車窓から確認することはできない。

 

サービスカウンター

サービスカウンター

車窓から見えるのは闇ばかりなので、売店となっているサービスカウンターを覗いてみよう。地ビールやお酒にソフトドリンク、軽食のほか、車両の絵葉書、クリアファイル、コースター、シールなどのグッズも売っている。脇にスタンプ台もあるので、乗車記念に先ほど貰った記念乗車証に押しておこう。

時折、対向列車と行き違いしながら、大江に停まり、牧を過ぎてトンネルを抜けると、JR山陰本線と合流する。山陰本線に駅はないけれど、北近畿タンゴ鉄道には、荒河かしの木台、厚中問屋と二つの駅に停車し、高架区間になって終点福知山に到着する。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

カテゴリー一覧

All Aboutサービス・メディア

All About公式SNS
日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
公式SNS一覧
© All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます