鉄道/観光・イベント列車

北近畿タンゴ鉄道の「丹後あおまつ、あかまつ」号

日本三景のひとつ天橋立を沿線の目玉観光地にもつ北近畿タンゴ鉄道(KTR)の新しい観光列車「丹後あかまつ号」「丹後あおまつ号」が2013年4月にデビューした。青い車体の「あおまつ」と赤い車体の「あかまつ」とをつないだ2両編成で、外装、内装を担当したのは、JR九州の観光列車で定評のある水戸岡鋭治氏。彼が、近畿地方の列車をデザインするのは、和歌山電鐡に続く2例目である。どんな列車なのか、試乗記を交えて紹介しよう。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

「あおまつ」「あかまつ」は天橋立にちなむネーミング

丹後あおまつ

西舞鶴で出発を待つ「あおまつ」「あかまつ」

ロゴ

あおまつのロゴ

「あおまつ」「あかまつ」の列車デザインのモチーフとなる松は、沿線にある天橋立に代表される日本海の白砂青松を象徴している。松の形をデザインしたロゴ、字体をデザインしたロゴなどがあちこちに描かれ、アクセントになっている。なお、この列車に使用される車両は、新車ではなく、長年普通列車として使われてきたものを水戸岡鋭治氏のデザインによってリニューアルしたものだ。

 

「あおまつ」車内

「あおまつ」車内

「あおまつ」は、自由席車両で、クロスシート席が中心となっている。二人掛けのペアシート、四人向い合せのボックス席が選べる。他には、窓を向いたテーブル席、地元の名産品などを陳列したショーケースの間にソファー席もある。各駅停車の列車としては破格のサービスだ。

「あかまつ」車内

「あかまつ」車内

「あかまつ」は、乗車整理券(300円)が必要で、整理券は座席の数しか販売しないので、着席が保証される。席は、テーブルをはさんで四人掛けのクロスシート、二人掛けのクロスシート、窓を向いたカウンター席、半円テーブルを囲んで窓向きに座るテーブル席、ソファーなど目移りがするくらい多彩な座席が用意されている。

ショーケースの写真

ショーケースには沿線観光地の写真がずらり

ソファー以外は、木製の温かみのある材質だ。ところどころに小さな本棚が置いてあり、絵本や地元の観光資料、歴史書などが並んでいる。トイレの外壁はマルチスクリーン風のパネルで沿線の情景写真がはめ込まれている。その隣には、木製のショーケースがあり、工芸品や名産品を眺めることができる。トイレ入口は、のれんが吊るされ、これは水戸岡デザインの定番だ。その向かいにあるのがサービスカウンター。お土産、関連グッズ、軽食や飲み物を販売している。
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