庭造り/庭造りの基礎知識

庭をパーツ分けしてみた 外周工事編

庭づくりを学ぶために、庭を現代的にパーツ分けしました。今回は、たいていは最初に行う工事で、土地の区割りや隣との目隠し等のための外周工事について、掘り下げてみます。

執筆者:辻尾 仁志

庭のパーツ、外周工事編

前回、庭を場所的に19に分けました。今回からパーツごとに解説してゆきます。
19のパーツを見る

今回は外周工事とそれに関連が深いパーツを解説します。 クリックして大きな画像でご覧下さい。
パーツ画像

地面の区割りのための外周工事

広い敷地をもつ外国と違い、島国気質なのか、日本人は「ここからここまでが自分の敷地である」と、区切りたい人種であるようです。オープンスタイルの外構が認知された今でも外周工事は必須でしょう。通常、造成時に周囲にコンクリート擁壁(以後「擁壁」という)コンクリートブロック(以後「CB」という)で敷地が分けられていますが、それがない場合や地面の高さ(以降「G.L」という)が建物より低い場合は、CBや擁壁工事が必要になります。

昔は隣と折半で、境界線上にブロック等の工事を施したものですが、最近では、境界を挟んで両方の土地にブロックを施すことを常識のように考える人がいます。経済的にも広さ的にもお互い有効なので、前者のほうをおすすめしたいところです。既に隣側に工事がされていて、必要がない状況ならば、新たに工事をしなくてもよいと考えますが、中にはそれが損をしたと感じ、不愉快に思う人もいますので、一声かけるのが常識でしょう。

区割りの方法

コンクリート擁壁
型枠を組んでコンクリートを流し込み造る、ようは鉄筋コンクリートの壁です。隣や裏側と地面の高低差が大きい場合に使用します。強度もあり、工期も短くてすみますが、小規模だと割高になります。20cm程度ならば、ブロックのほうがよいでしょう。

コンクリートブロック(CB)

セメント製品で、厚みによって、CB100、CB120、CB150と分けられていて、盛り土が多くCBに高い圧力がかかる場合はCB150を使うとよいでしょう。擁壁にくらべて強度は落ちますが、安価でフェンスなどのオプション性が高く、小規模の工事に向いています。どちらも美的に優れているとは言えないため、予算があれば、ブロックの表面に石等をはった化粧ブロックや塗装や左官仕上げ等の美的要素を加えましょう。左官仕上げとは、コテで、塗料やモルタルなどを壁等に塗り、表面に表情をつける方法で、コテ型の付け方で、いろいろな表情を付けることができます。

次ページにて、目隠し等のための外周工事について解説します。

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