アメリカの消費が好調なら日本も株高継続が期待できる
アメリカの景気が好調であれば日本の株高も継続
「そのアメリカでは、GDP(国内総生産)の7割を個人消費が占めることから、消費意欲が高まると景気の回復にもつながります。また、今の株高はQE3、QE4で株式市場にお金が流れ込んだことによる金融相場と呼ばれる状態です。ですが、アメリカで消費意欲がもっとも高まるクリスマスの時期の需要が盛り上がれば、アメリカの企業の業績も回復し、業績が好調で株が買われる業績相場へと移行します。そうなれば、株高も本格的なものになり、来年以降も株価が高い状態が期待できます」(戸松さん)
金融相場が業績相場へと移行するには、クリスマス需要が盛り上がる必要があります。そのクリスマス需要が盛り上がるには、株価と不動産価格が上がり、資産効果が高まる必要があるのです。
「不動産担保証券を買うことは直接不動産市場にお金を流し込むことなので、不動産市況の回復につながります。アメリカの不動産市況を表す代表的な指標であるケースシラー住宅価格指数はプラス圏に入り、2006年のサブプライムバブルの頃の上昇率に近づきつつあります」(同)
アメリカ経済の今後を占う材料のひとつである不動産市況は好調なようです。
来年1月以降は状況が変わる可能性も……
不動産市況も株価も好調ならば、2014年以降もアメリカで株価が高い状態が続くことが期待できるかもしれません。「アメリカでは金融緩和が続く限りは、相場も強い状況が続くことが期待できるでしょう。ただ、アメリカではQE3、QE4による債券買い入れは、そろそろ縮小するべきではないかという意見も出ています。また、来年1月には、積極的な金融緩和を進めてきたFRBのバーナンキ議長の任期が終わります。次の議長が金融緩和に積極的な人でなかった場合には状況が変わる可能性もあります。それは頭に入れておく必要があるでしょう」(同)
次はBRICSやその他の新興国、日本の経済状況についてです!
監修/戸松信博(オールアバウトマネー・株式ガイド) 取材・文/大山弘子
イラスト/竹松勇二 パネルデザイン/引間良基