オーストリア/ウィーン近郊の見どころ

ウィーンから中世の魅力溢れる古都グラーツへ小旅行

オーストリアといえば、音楽の都にしてハプスブルク家の牙城であった首都ウィーンと、モーツァルトが生を受け、夏には毎年音楽祭の開催されるザルツブルクが何と言っても双璧の観光スポット。でもウィーンから列車で2時間の場所に、日本人好みの意外な穴場スポットがあるのです!

ライジンガー 真樹

執筆者:ライジンガー 真樹

オーストリアガイド

中世の魅力溢れる古都グラーツ

graz-sepia

「セピア色の街」とも称されるように、赤い屋根がどこまでも広がるグラーツ

ウィーンから列車で2時間という近郊に、日本人好みの意外な穴場スポットがあります。それが、今回ご紹介する古都グラーツ。

グラーツの街はシュタイヤマルク州の州都で、人口はオーストリア第2位の約25万人。街の中心部には中世の面影が色濃く残っており、1999年にユネスコ世界文化遺産に登録され、2003年にはさらに欧州文化首都の指定を受けました。街の起源は古代ローマ時代にまで遡り、グラーツの語源はスラブ語の"Gradec"(砦や小さな城の意)であるとされています。1379年にオーストリア最重要都市に指定され、1585年にはグラーツ大学設立。その後、ハプスブルク家の支配下に入ったのちは、歴代皇帝を数人輩出するなど、ウィーン近郊の要地としての意味合いを深めていきました。

グラーツへのアクセスとホテル情報

首都ウィーンからグラーツへのアクセス方法は主に次の4通り。最短であれば小型飛行機での移動ですが、ハイヤーがゆったりと個人旅行を楽しめますね。

  • 飛行機:ウィーン・シュヴェヒャート国際空港からグラーツ空港まで小型飛行機で移動する約25~35分。
  • 電車:現在改装工事のため閉鎖中のウィーン南駅に代わって、ウィーン・マイドリンク駅からグラーツ中央駅まで、特急列車で約2時間30分。
  • バス:ウィーンの地下鉄3番線エルドベルク(Erdberg)駅横に併設されているヴィエナ・インターナショナル・バスターミナル(VIB)出発のザンクト・ミヒャエル乗り換えで、グラーツ到着まで約2時間45分。
  • ハイヤー:ウィーン・シュヴェヒャート空港や各ホテルでハイヤーを手配してもらうと、グラーツ街中まで約2時間(渋滞なしの場合)。
グラーツは比較的小さな街ですので、おもな見どころをまわるだけであれば、ウィーンから日帰り旅行でも十分。ただ、あまり駆け足でまわりたくない方や、グラーツ郊外のエッゲンベルク城にまで足を伸ばしたい方などは一泊したほうがゆったりと楽しむことができるでしょう。グラーツ中央駅付近にはショッピングセンター併設の大型ホテルが数件あるので、電車でグラーツに乗り入れる際にはこちらが非常に便利。その他であれば、グラーツ旧市街付近のホテルがアクセス抜群で、観光にはお勧めです。ご自分の滞在日数や滞在目的、交通手段などによって選んでくださいね。

<グラーツまでのアクセスの問い合わせ先>

街のシンボル、時計塔

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グラーツの街を象徴する時計塔。直径5mにも及ぶ文字盤は通常とは異なり、短針が分を、長針が時間を指す風変わりなもの

グラーツは「時計塔の街」や「セピア色の街」とのユニークな異名をとる通り、旧市街の城山に残る古い時計塔と、そこから俯瞰できる赤レンガの屋根の海がこの街最大の見どころ。グラーツを観光するなら、この二つは絶対に外せません!

ところがこの時計塔は急峻な崖の上に建っているため、足腰に自信のある方やスニーカーを旅先に持参の方以外には、城山の麓から出ているエレベーター(片道1ユーロ)の利用をお勧めします。このエレベーターはSchlossberglift(シュロスベルクリフト)と呼ばれ、時計塔のある岩山をくり抜いて造られたもの。ガラス張りのエレベーターで、真っ青にライトアップされた岩肌をすり抜けながら、250mも上昇していく様はなかなかに神秘的でスリリングな体験です。

頂上に着いたら、時計塔を眺めつつ悠久の歴史に思いを馳せたり、眼下に見渡せるグラーツのセピア色の景色を堪能したり、フラワーガーデンを散策したりと、思いおもいの楽しみ方ができます。頂上は日差しが強いことも多いので、疲れたら時計塔横にあるカフェで一服するのも良いでしょう。帰りは、周りの豊かな自然を愛でながら、坂道を歩いて降りるのも一興です。

小腹がすいたら、グラーツの宮廷御用達店「エーデッガー・タックス」へ
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