インフラの長期停止は大量の避難民を生み出す

hinanjyo

避難所生活は想像を超える過酷な生活となる。

避難所に行かなければならない。そんな状況をあなたは想像しているでしょうか? 自分の家は新築マンションだし、地震があっても壊れないから大丈夫と思っているかもしれません。しかし、その安全神話は全くの幻想です。

たとえ自分の住む建物が全く被災しなくても、その地域のインフラが破壊され、長期に渡って回復しなければ、住民は避難所に行かなければ生きていけなくなります。都市部のインフラが地震災害に弱いことはすでに東日本大震災でも証明されました。液状化の発生により、湾岸地域の一部では数カ月にわたり「電気・ガス・水道」が回復せず、地域の住民はマンション・戸建に関わらず、長期間「避難民」になってしまいました。

さらに現在は「エネルギーの供給」が震災以前よりも不安定になっています。次の震災で、現在の主力となる火力発電所に被害があれば、長期に渡っての電力の供給不足が発生する可能性もあります。集合住宅、特に高層階に住む住民にとって「電気のない生活」は考えられません。誰も階上まで水や食料などの物資を届けてはくれないからです。

インフラが回復するまで「自宅で避難生活」を送るためには少なくとも家族で1週間分の水・食料を備蓄していることが必要でしょう。その分量は水で飲用・生活用で一人20リットル程度。3人家族なら2リットル入り6本の箱を3~4箱。プラス水道水を20~30リットルのポリタンクに入れて用意して生活用水とします。簡易トイレなど、水の節約に必要なものも、最低一週間分は用意しておきたいものです。

災害時に本当に必要なものとは?

水や食料は避難所、または自治体指定の配給所に通うことさえできればいずれ手に入ります。しかし生活用品、生理用品、嗜好品などは配給の品目にはなかなか入ってこないものです。自分の、あるいは自分の家族の健康状態を守るためにはそのような準備も必要です。

家族に幼児や高齢の方がいる場合は紙おむつなども備蓄の重要な用品となります。中越地震では群発地震が続いたために、避難所生活が長期に渡り、健康被害を受ける高齢者の方が続出しました。家族それぞれの必要な生活用品を考えて備蓄に加えておかなければなりません。

ちなみに被災後、数週間ほどたってから、水や食料が比較的充分に供給されていた避難所で、支援物資として実際に持ち込んで、喜ばれた(役に立った)品々を列挙すると以下のようになります。

・携帯充電機能付簡易ラジオ
・マスク(不足気味だった)
・ウェットティッシュ(大判のもの)
・作業用長靴(自宅整理用)
・菓子類
・洗面道具
・化粧品、生理用品、オムツ
・下着類(特に女性用)

被災後数日、数週間、数カ月後、被災地では必要なものというのはどんどん変化していくもの。最初は水とオニギリさえあればよかったけれど、そのうちに色々なものが必要になってきます。缶詰やレトルト食品も一週間もすれば辛くなってくる。風呂にも入りたい。清潔な物も着たい。希望はどんどん変わってくるものだからです。

他に酒やタバコを支援物資として持ち込んだら喜ばれたという声も少数ありました。強いストレスの中にいる避難所生活では嗜好品の役割もわからないではないのですが、避難所内では基本的に禁止されており、他者とのトラブルの種にもなるから自粛すべきであろうと思います。その日のためにどれだけ準備していたかで自分や家族の避難所生活は大きく変わってしまうということを今一度思いおこしておくことが必要です。

また、災害が起こるたびに援助物資として、使わなくなった古着を被災地に勝手に送ってくる人が無くならないのですが、実際には迷惑である場合が多いのです。被災地では不要の支援物資が山のように積まれ、処分されているのを見かけます。支援をする場合は、本当に必要なものを、きちんと調べてから新品を送ることが災害時には常識です。


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