「消えた年金」はまだ終わっていない
一時期「消えた年金」問題が騒がれました。かつては年金記録は紙の帳票で記録されており、全国の社会保険事務所(現在は年金事務所)に保管されていました。転職や支店の異動のたび、社会保険事務所も変わるため、一人の年金データが何カ所にも点在していたのです。1997年に国民ひとりひとりに基礎年金番号が整備され、データの統合が行われたのですが、入力者の転記ミス、元々の届け出データから生じていたミス、死亡や海外移住による統合不能などにより、どの基礎年金番号にもひもつけられなかったデータが全国5095万件もありました。
団塊世代の年金受給開始年齢到達にあわせて、この問題は大きくクローズアップされ、社会問題化したのは記憶に新しいところです。その後、実は取り組みがずいぶん進められ、このうち約2900万件がすでに解明されています。もしかするとご両親の年金記録がみつかって増額になった、という人もいるかもしれません。
過去の例では、年金が何倍にも増えた例があるそうです。たとえば、若い頃の納付記録が発見されたところ、98万円の年金が234万円にアップした例もあるとか(日本年金機構のパンフレットより)。
しかし、まだ約2200万件の不明データがあり、消えた年金問題はまだ終わったわけではありません。そこで、日本年金機構では、「気になる年金記録、再確認キャンペーン」を行っています。
この取り組みのうち、注目してみたいのは、ネットで検索できるサービスをスタートしたことです。今回少し解説してみたいと思います。
こんな人が「消えた年金」の可能性大。ネットで自宅で検索できる
ちなみに「消えた年金」の可能性が高い人はどんな人でしょうか。日本年金機構によれば、3つの可能性が高いそうです。1つめは「すでに60歳以上の方」です。先ほどの2200万件のうち、75%、1600万件以上は60歳代以上の方です。もう年金をもらっているし、自分は関係ないだろうと考えている人ほど、消えた年金がまだあって、増額の可能性があるわけです。
2つめは「短い期間働いていた記録」です。実は1年も働いていなかったので関係ないだろうと思っていても、国の厚生年金はちゃんと通算して支給対象としてくれます。なんと87%は5年未満の記録だそうですから、「若い頃、何年か働いていた会社があったなあ」みたいな可能性は要チェックです。
3つめは「古い記録」です。1つめの年齢とも関係しますが昭和50年代以降の未統合データは26.5%ほどで、残りは昭和30年代や40年代に集中しています(この20年で65%になる)。
実は今20代や30代の人にとって、「消えた年金」の可能性は高くありません。もしあったとしたら毎年届く「ねんきん定期便」ですぐ確認できますので、修正も簡単です。
問題は「両親」「祖父母」といった高齢者の年金なのです。しかし、年金事務所にわざわざ出かけるのはしんどい、という人も多いはずです。
そこで、「まずはネットでざっと調べて、その後年金事務所に行って確認」という方法が考えられます。今まではネットサービスに出遅れ感のあった年金制度でしたが、2013年1月31日から「持ち主不明記録検索サービス」をスタートしているのです。
※参考(日本年金機構HP 概要説明)
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