観光特急「A列車で行こう」の特色
JR九州の観光列車には、普通の列車名とは一味違った愛称がいくつかある。「ゆふいんの森」「はやとの風」「海幸山幸」「指宿のたまて箱」、どれもユニークな命名だ。そしてこの「A列車で行こう」。70年以上も前にアメリカで生まれたジャズのスタンダードナンバーのタイトルをそのまま使った型破りの列車名だ。
本来は、ニューヨークのハーレムを経てマンハッタン北部へ向う地下鉄路線の急行をAで表しているのでA列車というわけだが、JR九州では、名前だけを借りて、天草AmakusaのA、大人(アダルトAdult)のAからファミリー向けというよりは、大人の落ち着いた雰囲気を醸し出す列車というコンセプトで売り出している。
「A列車で行こう」は、「九州横断特急」などに使われているキハ185系ディーゼルカーを改造して特別仕様とした車両2両編成で運行している。運転区間は、通常は、熊本から三角線の終点三角まで、週末を中心に(夏休み期間などの観光シーズンは毎日)1日3往復している。