東京で初めてのアーチ型の石橋
秋葉原電気街の南側、神田川に架かるアーチ型の橋が万世橋で、中央通り(国道17号)が通ります。現在の万世橋は1930(昭和5)年に架けられたもので、南側より北側が広い橋詰広場などに特徴があります。万世橋の歴史は江戸時代まで遡ることができます。この地は中山道と御成街道との分岐点に筋違見附、江戸城を守る筋違門があり、交通の要衛とされました。こうしたことから江戸時代は「筋違橋」と呼ばれていました。
この筋違橋の周辺は江戸時代から繁栄していて、特に青物商が多く集まっていました。8代将軍・徳川吉宗の頃から幕府御用達になり、ますます繁栄し、これが後の神田青果市場となります。また、下級武士や町民達の住宅も多く「神田っ子」の町として発展して行ったのです。
万世橋が現在のような近代的な橋になったのは、1873(明治6)年に江戸城の門を壊した石を利用して、東京で初めてのアーチ型の石橋として造られたことによります。この時、橋の名を筋違橋から「万代(よろずよ)橋」に改め、不朽を願いました。
万世橋に隣接して、赤レンガの旧万世橋駅の遺構があります。万世橋駅は1912(明治45)年に開業、中央線の一大ターミナルとして活躍しましたが、約30年後に駅としての幕を閉じました。現在、その万世橋駅遺構の整備が行われ、貴重な歴史的資産として公開される予定です。
■万世橋(まんせいばし)
住所:東京都千代田区外神田1
アクセス:JR秋葉原駅から徒歩約3分
※データは記事公開時点のものです。