温故知新まずは歴史から
国家資格取得の中で学んだ歴史程度ですが、皆様にも知っていただきたいと思い、少しだけ語ります。庭の発祥
庭の発祥は古く、定かでないため空想の域を超えませんが、井戸や湧き水を神聖な場所と考え、その周辺に神を意味付けた装飾を施したことではないか。諸説の中の、私が信じる一説です。
豪族の庭
生きるために必要な淡水の湧き水。これを支配することは、部族の支配を意味する事です。文化が発生して、人々が太陽や闇等を神とする中、一部の豪族が部族を支配するため考えたのが、湧き水を神とし、それを支配する自分たちを神とあがめさせる事でした。そのために、湧き水のあるところを石や植物で装飾しました。
その幽玄な姿は、誰もが造れる物ではなく、センスや技巧、労力は一部の人間にしか持ち得なかった物で、多くの人を驚かせるに充分だったと考えられます。
そうして発展していった造園技術は、生活を豊かにする土木技術にも生かされたのです。
支配者の庭
それ以降、庭とは、支配者の物でした。時代が進むにつれて、その時代を作る貴族、そして大名へと広がってゆきますが、当時はまだ一部の特権階級にしか許されていなったのです。
川原者と庭
川原者とは、渡来人や特殊技術を持った職人が川原に住まいを持っていたことからそう呼ばれ、芸能や芸術に秀でた人が多く、歌舞伎や華道、造園に名を残しています。芸術分野では、善阿見や世阿弥のように活躍し、多くの日本芸術の家元となっているのですが、造園はそうなっていないのが残念で仕方がありません。
人々の庭
「自然の中の花や川の流れなどの美しい景色を、自分のそばにおきたい」。人々は自然にそう考えるようになります。しかしそれを実現できるのは、まだまだ一部の経済力のある人間でした。やがて、高度成長をむかえ、誰もが家を建てられるようになり、外国から見るとマッチ箱のように見える、あまりセンスのない家が増えてゆきます。そして、誰もが庭を欲しいと思い、持てるようになりました。
しかし、弊害も生まれました。庭を造れても、管理ができなくなっていくのです。というのも、庭は特権階級の人間によって発展してきました。管理費のことなど考えずに発展してきたので、その庭を真似ることは当然多額の管理費が発生することになります。その結果、管理が行き届かず、酷い和庭が日本を覆いだしたのです。
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