まるで幻想的なSFの世界
果てしなく続く白色の砂漠。あらゆるものを拒絶する厳しさと、あらゆるものを惹きつける魅惑を兼ね備えた不思議な世界
ここにある色は、砂丘の白と空の青のみ。どこまでも続く白い海原を前に、出るのは溜め息ばかり。こんな景色を見ることにまさる喜びって、いったい何があるのだろう。
風が残した波打つ紋様が美しい
この白い砂の正体はあの石膏です。雨や雪解け水によって溶かしだされた石膏は通常はそのまま川から海へと流れて行きますが、ここには川がないため石膏などの鉱物は周辺で一番低い、南西部のルセロ湖(Lake Lucero)に溜まります。このルセロ湖は「プラヤ」と呼ばれる雨が降った時だけできる湖で、その水が蒸発する時、大量の石膏の結晶を表面に残します。その結晶が長い年月をかけて風化し、砂粒となって風に運ばれ、砂丘を形成したのです。
この地には恒常的に南西からの風が吹いており、砂は常に北東に運ばれていきます。つまり、ホワイトサンズは動いているのです。動きの激しい所では、年に10m近く北東に向かって動き続けています。砂丘上に見られる波紋上の紋様も、この風の賜物です。
ここでは誰もがカメラマン!
無限の彼方へ放り出されたような感覚
こんな景色を前にして、写真を撮ろうとしない人がいたらすごいです。撮影のゴールデンタイムは日の出後の2時間と、日没前の2時間と言われています。また、オートフォーカスの機能は切って、マニュアルでいろいろと撮影してみてください。光の反射が強いホワイトサンズでは、カメラの測光機能が狂うからです。
写真撮影の詳しい案内はこちら(以下すべて英語)
厳しい環境でもしたたかに根を張る植物もいる
厳しい環境で生きる生物たち
こんな砂だけの世界にも、過酷な環境に見事に適応して生きる動物や植物がいます。多くは気温が下がる夜間に行動するのであまり見かけることはありませんが、彼らの活動した跡が砂の上によく残っています。もしかしたら真っ白に変化したトカゲなどに会えるかもしれません。
砂丘といえば、ソリ!
やはりここでもソリ遊びができます。景色に心を奪われてソリどころではないという人の方が多いかもしれませんが、ソリはビジターセンターで販売しています。滑る時は、道路に飛び出さないようにくれぐれもご注意を!
ハイキングやキャンプもできます。
車いすで入れるルートもある
ホワイトサンズには合計5本のトレッキングルートがあります。デューンズ・ドライブ沿いの簡単なものから、かなり奥の方のハードなコースもあります。また、公園内にはキャンプサイトもあり、満点の星空を眺めながら夜を明かす事もできます(ビジターセンターで登録が必要)。
簡単に挑戦できるトレッキングルートを二つご紹介します
長さ585m。車椅子でも入れるルートです。手付かずの砂丘の中へと進み、貴重な植生や美しい風紋を見る事ができます。
長さ300m。砂丘の中の小さなプラヤ(一時湖)までのルートです。
トレッキングの詳細はこちら(地図を含む)
キャンプの詳細はこちら
最後に、トレッキングの注意点です