金価格に連動する金ETF、東証に上場しているものは5本
金価格に連動することを目的に運用されている「金ETF」。金上場投資信託ともいうように、投資信託の一種で、株式市場に上場され、株と同じように市場が開いている間は、自由に売買できる機動性が最大の魅力。指値注文や成行注文をはじめ、注文方法が選べるのも投資家にとっては使い勝手がいいといえるでしょう。資産全体のポートフォリオに組み入れて考えやすいということもあります。「株と同様に取引にコストがかかりますので、ネット証券など売買コストが安い証券会社を選ぶことが重要です。株の取引などで慣れている人は、金価格が下落した場合は、信用取引で金ETFを売り、収益を得るという方法もあります」と田嶋さんはアドバイス。
現在、国内市場に上場しているのは、下記の5本。基本的に金価格に連動するように運用されていますが、銘柄ごとに特徴があります。ロンドンの値決めの金現物に連動するもの、国内金価格に連動するもの、金価格に連動する債券に投資をするものなど、ひとくちに「金ETF」といってもその中身は異なります。売買単位も1株単位、10株単位と違いがあり、数千円で購入できるものから、数万円必要な銘柄も。
「それぞれに特徴がありますが、できれば、金1gあたりの価格との連動性が高く、金の裏付けのあるETFがオススメです」と田嶋さんはアドバイスします。運用会社が保有する金現物に裏付けされた受益証券であれば、現物同様に金保有の安心感があるためです。
もうひとつ、銘柄選びで気をつけたいのは、1日の出来高。出来高が多いということは、それだけ取引が活発に行われているということで、売買のタイミングを外すことが少ないからです。なかでも、SPDRゴールド・シェアは世界中の市場に上場されていて、世界的規模の金ETFとしてのブランド力や信頼感があります。現物国内保管型の純金上場信託<金の果実>も、この5本のなかでは圧倒的な出来高を誇っています。1gあたりの国内金価格との連動性が高いので、値動きがわかりやすい点も投資家から人気を集めています。
まだまだ上昇気配の金価格。とはいえ、一度にまとまった資金で購入して価格が下落したときに右往左往しないためには、まずは必要最小限の購入にとどめ、下がった時に追加購入していくなど、時間を分散して投資するのも損失を防ぐコツといえるでしょう。
次のページでは純金積立を使った上手な金投資の方法を考えてみましょう!
監修/田嶋智太郎(経済評論家) 取材・文/伊藤加奈子