甘いマスクと優雅なスケーティング 「アレクセイ・ウルマノフ」
NHK杯を見ていた時に、一人とても印象的な選手がいました。一つ一つのジャンプやスピンにはキレがあり、手の演技もウットリするほどに滑らか。優雅なスケーティングで踊りながらも動きにはスピードがある演技。長い手足に細い腰。甘いマスク……。「ああ、王子様だぁ」
と思いました。彼こそがロシア代表のアレクセイ・ウルマノフ。初めて見たのは1992年のNHK杯の放送です。私が意識して男子フィギュアスケートを見始めるきっかけを作った選手です。彼の姿を観るために番組をチェックしました。オリンピックに世界選手権大会、NHK杯など。
他にも魅力的な選手はいましたが、彼のジャンプとスピン(もちろん容姿にも)魅せられていた私は、かなり熱い眼差して彼を見ていたのです。あれは恋していたと言ってもいいくらいだったと思います。
伊藤みどりさんが全盛のころで、フィギュアスケートは女子という風潮が強かった当時では、男子フィギュアを見ている人間は少なかったものです。そんな中で、たまたま、フィギュアスケートは男子だよねという友人と出会い「正統派王子様系スケーター」という呼称で彼のことを語っていた記憶があります。
プロに転向してからは「オペラ座の怪人」で真っ赤な長い布を見事に操ってのスケーティングを観せてくれることもありました。今は国際スケート連盟の公式技術審判員に就任されているようですね。いろいろな大会で彼の名前が見られるだけでもニヤけてしまいそうです。