「重い」と言われる恋愛しかできなかった私
私は恋愛での失敗が多い。別れ話の理由はたいてい「重い」から。
もちろん、別れても私のほうはそのたび復縁できるようにあれこれと頑張った。
その結果、100%、相手は逃げる。
数回繰り返して、やっとその法則が分かった。
そしてそのパターンをついにぶち破ったのがある男の人と付き合ったとき。
彼は、私が過去に片思いをしていた人で、
まさか恋人同士になるとは思いもしていなかった相手だったから夢の中にいるような気分だった。
…が、遠距離恋愛だったために、また私の「重たい恋愛感情」が顔を出し始め、
あるとき、電話で彼から別れを告げられた。
このときのショックの大きさは、それまでとは比べ物にならなかったが
もともと彼と付き合うこと自体が夢のような出来事だと思っていたことと
何より本当に大好きな彼だったので、みっともない姿を見せたくないという思いだけで
このときはじめて別れ話をすんなり受け入れ、
初めて自分で「吹っ切って、前を向いて進もう」と努力した。
それまでさんざん未練たらたらでみじめになる自分を経験していたので
とにかく、ひたすら、そういう姿を彼にだけは見られたくなかったのだ。
2年後のクリスマス、彼から久しぶりに電話があった。
彼からは「別れたことを後悔している」と驚きの告白があったが
私はその時、別の人からの告白を受け入れたばかりだった。
彼のもとへ戻りたいという気持ちはかなり強かったが
そのころ告白してくれた別の人に申し訳なくて
結局その時は彼のもとへ戻る決断ができなかった。
その後どうなったかというと、その当時告白してくれた別の人と、私は結婚した。
本当に素晴らしい人だということが付き合ううちに分かったから。
あの彼との共通の友人からの話では
彼はその後ずいぶん長いこと、私のことを引きずっていたということだった。
「重い」と言われる恋愛しかできなかった私が、
逆に、ずっと相手から思われ続けることになった唯一の恋愛だ。
要するに、
「復縁したい」オーラを体中から発しているうちは、復縁なんてできない。
自分が新たな人間に生まれ変わるつもりで、
この恋愛から卒業したつもりでそうやって前に向いて進んでいると
相手のほうがまたふっと引き寄せられることもある。
その時タイミングが合えば、素敵な復縁の可能性が出てくるんだよ、きっと。