休日だけ現れる骨董市
タイ人男性は骨董大好き。休日に街道をぶらぶら歩いていると、歩道にびっしり並んだ骨董市によくでくわします。店の多くは屋台式か、道端に敷布を広げ、そのうえに品々を並べただけ。人々は道端座り込み、持参したマイ・ルーペを真剣にのぞきこんでいます。敬虔な仏教国タイでは、親指ほどの仏像がコレクターズ・アイテムとして重宝され、専門の雑誌がコンビニエンス・ストアに置かれているほど。それらをプラティックのケースに入れて、アクセサリとして持ち歩く人もいます。
しかしそれはタイのこと、需要がある=偽物登場!という方程式が即座に成立。まがいものが多数存在し、私のような素人にはそのほとんどが偽物に見えます。そこで漢(おとこ)達は、自身の信心とプライドを賭け、それから「転売した際の儲け」に皮算用し、結果じっと道端に座り込むことになります。
偽物天国で、品物チェック
観光で有名なチャットチャック・マーケットの近くにも、骨董市が毎週末立ちます。おすすめはBTS Saphan Khwai駅の高架下、1キロにわたって店が並ぶ骨董市。仏具や仏像以外にも、古びた刀剣や置物、中には高級靴の店なども並んでいます。「正真正銘、すべて本物です!」といった、店側のオーラを感じます。通りを挟んだ外国人出店区画で、とても古そうなカメラを発見。ドイツ製のTENGOや、日本製のMYCROなど「ホントにそんなメーカーあるの?」という逸品から、KODAKなど、中には80年前に造られたものもあるとか。価格はセットで30,000バーツとのこと。本物か偽物かさっぱりわからず、手持ちもなく、とにかく目利きにまったく自信のない私はいそいそと退散。
友人のタイ人は、若いながらやはり骨董マニアで「あのフランス製ライターは、別の市にもってゆけば倍になる」と、一人エキサイトしていました。「だったら買えば?」と訊くと、「今日はマイ・ルーペがないので買わない」とのこと。
ギャンブルは違法でもまがい物はグレーゾーンのタイ。リスクもあるかわりに、お宝を手に入れるチャンスもあるのでしょう。きっと。
「騙すか、見破るか」。目利きに自信のあるかたは、週末ごとに繰り広げられる静かな闘いに、ぜひ参戦してみてください。
■チャットチャック骨董市
住所:Kampaengphet 3 Rd, Ladyao , Chatuchak district , Bangkok 10900
電話番号:02-272-4575
営業時間:8:00~19:00(店によって異なる)
休業日:土日のみ営業
アクセス:MRTガムペーンペット駅の2番出口すぐ
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