境界と越境について
測量図や境界標が無い場合、買い手は売り手に事前の取得を条件にする場合があります。測量図の作成は測量士へ、境界標の設置や境界確認書の取得は土地家屋調査士に依頼します。土地の形状にもよりますが、費用は測量に10万円~20万円程度。境界標の設置や確定測量の取得に20万円~40万円程度です。越境についても確認
越境及び被越境は、買い手が気にすることがありますので、境界確認が必要な場合、同時に相互の越境状態を解消しておくことが望ましいです。
土地状態、地盤と土壌について
土地に残置物がある場合、撤去費用を負担する場合があります。自分で撤去できるようなものは事前に撤去しておくことがいいでしょう。また、地盤や土壌状況の資料を確認しましょう。以前建物があった場合はボーリング調査をしている場合があります。ボーリング調査とは、土を掘りどのような土によって構成されているかを調査することです。調査報告書には、土の種類が書かれているとともに、強固な地盤まで何メートルあるかなどがわかります。買い手が大規模建築をする場合は、建築コストに影響するため地盤状態も価格に影響があります。一方、一戸建てを建築する上ではあまり問題になりませんが、東日本大震災があったことから地盤状況への注目が高まっています。
以前建物があった場合、土地に地中障害がないかどうかも問題になります。例えば、建物の解体が不十分で建物の基礎をしっかり除去出来ていないような場合は地中障害になります。その際、買い手が新しい建物を建築する際に除去の費用が発生します。土地の中は目に見えない部分ですので売り手の瑕疵担保責任を問われることになり、除去費用は売り手が負担することになりますので注意が必要です。
土壌調査には地歴調査をする方法と、土壌のサンプリング調査をする方法があります。土壌調査報告書を取得されている方は少ないと思いますが、周辺に化学製品や薬品を扱う施設がある場合、買い手は気にします。大規模な開発の場合には、買い手が独自で調査することがあり、売り手が調査費用を負担することは少ないです。一方で小規模な開発の場合は、買い手が土壌調査をすることは少ないですが、土地の利用履歴を聞くことがあるので、利用履歴を知っている人(家族など)に聞いておくのが良いでしょう。
このように、土地の売却は、土地の状況により売り手の費用負担の有無、さらに売買価格に影響があるため、事前に買い手の購入目的を想定し、建築する際に障害がないかどうかを調べることが大事です。売り手が全て調査することは難しいため、手元にある資料を揃え売却を依頼した不動産会社の担当者にアドバイスをもらいましょう。