アメリカ・レンタカーでホワイトサンズ国定公園へ

白い砂丘

世界に砂丘は数多くありますが、こんな真っ白な砂丘、それがこんなにも広大な範囲に渡って形成されているのは世界でもここだけです。その面積は約700平方キロ、見当もつかない広さです。そしてその中の約40％が国定公園に指定されています。

何千万年という時間の流れと自然の作用によって出来上がったまさに地球の奇跡。雄大な手付かずの自然が多く残るアメリカ南西部の中でも指折りの景勝地です。その雄大な世界を前にすると、ちっぽけな人間が偉大な自然に向かって“景勝地”などとは上から目線で失礼な気さえします。

基点の町は、テキサス州エルパソ

広いテキサス州の最西端の細い部分にある町、エルパソ（El Paso）がホワイトサンズへの出発地です。ここエルパソは、テキサス州とニューメキシコ州の州境であるだけでなく、おとなりメキシコとの国境の町でもあります。

町で耳にするのは英語よりもスペイン語の方が多いくらい。街の雰囲気もヒスパニックの人々と相まって北米というよりはむしろ“中米”といった感じです。

メキシコ、シウダーファレスには行かないで！

ここエルパソは国境の町。歩いて陸路国境を越えて簡単にメキシコへ入る事ができます。国境のリオ・グランデ川を渡るとそこはもうメキシコ。メキシコ側の町はシウダーファレス（もしくは略してファレス）といいます。以前は、エルパソに来た観光客の一番の楽しみは、このメキシコへの小旅行でタコスをぱくつきながらテカテ（メキシコビール）を飲む事でした！

が、近年は麻薬犯罪組織の抗争によって急激に治安が悪化、あっという間にメキシコを代表する凶悪犯罪都市になってしまいました。このマフィア間の抗争に治安当局の取り締まりも加わって街中で銃撃戦が発生するなど、市民生活に甚大な影響を及ぼしています。聞くところによると、もう街中で死体を見るのも珍しい事ではないそうです。2010年のこの町の殺人事件犠牲者は2738人だそうですが、こういう数字の性格上、実際にはもっとずっと多いと考えるべきでしょう。

近年とみに治安の悪化しているメキシコの都市は、カリフォルニア州サンディエゴと接するティファナ市、テキサス州ブラウンズビルと接するマタモロス市など、すべてアメリカ国境の町です。この事は、中南米の麻薬がアメリカという市場なしには成り立たない事の証左でもあるでしょう。

この波は島国の日本にはまだ辛うじて押し寄せていないのかもしれませんが、世界に責任を負う国家国民を自負するならば、無関係ではいられないはずです。

シウダーファレスの治安概況はこちら（外務省海外安全ホームページ）

もう一度言います、シウダーファレスには絶対に行かないでください！


次は、ホワイトサンズへの行き方です！