株とFXを組み合わせて利回りアップ!
株式投資では、短期売買で利ザヤを稼ぐより、配当や株主優待の充実した銘柄を大きなリターンを狙うことができる投資法
「たとえば、日本マクドナルドホールディングス〈2702〉とカッパ・クリエイトホールディングス〈7421〉、吉野屋ホールディングス〈9861〉を最低単位ずつ購入します。これを担保にFX取引をするのです。ポイントは、スワップ金利の高い通貨を選ぶこと」
藤本誠之さんは、こう説明します。日本マクドナルドHDは、最低取引単位である100株保有した場合、1株あたり30円の配当金と、バーガー類、サイドメニュー、ドリンクの無料引換券6冊を年2回受け取ることができます。カッパ・クリエイトHDは、同じく50株保有すると1株あたり25円の配当金と525円の優待券10枚、吉野家HDは1株保有すると、1株あたり2000円の配当金と300円のサービス券を10枚もらえます。FXで豪ドルを買い建てた場合、1万豪ドルならば72円、2万豪ドルならば144円のスワップ金利が入ります。
この前提で計算すると、株式の投資金額に対する利回りは、1万豪ドル買い建てた場合は約12.8%、2万豪ドルなら約19%にもなるのです。
「例にあげた銘柄は、いずれも人気の優待銘柄です。とはいえ、相場環境によっては含み損を抱えることもあるでしょう。そんな時でもFXのスワップ金利が入ってくれば、少しトクした気分になれるはずです。ここでは豪ドルを買い建てる例を紹介しましたが、もっとリスクが取れるのであれば、豪ドルよりも金利の高い南アフリカランドを買い建ててもいいでしょう」
ただし、株式には値下がりリスクや減配リスク、優待が廃止されるリスクがあります。また、FXも為替差損やスワップポイントの変更のほか、急激に円高豪ドル安が進んだ場合は追加証拠金(追証)が必要になったり、強制ロスカットされることもありえます。
「配当やスワップ金利が入るうえ、優待券で食事代を浮かすこともできるオトクな投資方法ですが、追証や強制ロスカットになっては元も子もありません。FXのレバレッジは2~3倍程度に抑えれば、それほどリスクは大きくありませんが、為替変動には十分注意しましょう」
※株価、配当金、株主優待は2012年12月4日の終値、為替レートは同日18時時点のもの。証拠金、スワップ金利はマネーパートナーズの例。手数料は考慮していない。※株式を担保にFXができるのは、マネーパートナーズのほかSBI証券、カブドットコム証券(大証FX、店頭FX)など。
取材・文/大山弘子
藤本誠之さん
証券アナリスト、ITストラテジスト。マネーパートナーズ勤務。
著書に「ニュースを“半歩”先読みして、儲かる株を見つける方法」(アスペクト)、「株で儲けるニュースの読み方」(ソフトバンククリエイティブ)、「儲けに直結!株価チャートドリル」(成美道出版)など。