相続・相続税/生前贈与・贈与税の基礎知識

負担付贈与と低額譲受

負担付贈与と低額譲受のどちらも実質的な利益があるため贈与税がかかります。その際、土地等は時価により計算されますので贈与税の負担が重くなっています。知らずにやってしまう前に確認しておきましょう。

執筆者:加藤 昌男

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負担付贈与とは

負担付贈与の土地等の価額は時価!

負担付贈与の土地等の価額は時価!

負担付贈与とは、贈与を受ける人(受贈者)に一定の債務を負担させることを条件にした贈与のことです。個人からこの贈与を受けた場合には、「贈与財産の価額」から負担額を控除した価額が受贈者のメリットになるため、これに贈与税が課されます。

贈与財産の価額は、下記の通り財産ごとに評価方法が定められています。
  • 土地・借地権、家屋・構築物など……通常の取引価額(時価)
  • 上記以外の財産……相続税評価額
■事例■父が子に銀行借入3000万円を負担することを条件に、土地(時価5000万円)を贈与した場合
  • 子の贈与税の課税価格:2000万円=5000万円-3000万円
  • 子の贈与税額(暦年課税の場合):720万円=(2000万円-基礎控除110万円)×50%-控除額225万円
何の負担もなく土地を贈与する場合には、土地の価額は路線価による相続税評価になります。しかし、負担付贈与では、通常の取引価額(時価)になり、一般的に評価が高くなるので注意が必要です。
 

通常の取引価額(時価)とは

通常の取引価額(時価)とは、市場での売買価格です。これに相当する価格を算出するには下記の2つ方法があります。
  1. 不動産鑑定士による評価
  2. 公示地価ベースの評価=路線価評価×1.25倍

公示地価は評価地点が限られています。一方、路線価は道路1本1本に付されています。このことから土地の評価をする際には路線価から計算します。路線価は、公示地価の8割ですから、路線価を1.25倍ことで公示地価ベースの価格を求めることができます。

>>次のページでは、低額譲受による利益について解説します。
 
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