国内金価格はドル/円レートに左右される
現在5本ある金ETFのうち、純金上場信託(金の果実)と国内金先物価格連動型上場投信は国内金先物価格に、SPDRゴールド・シェアと他2本はロンドン値決めのドル建て金現物価格に連動します。「ドル建ての金現物価格に連動するETFは、先ほど紹介した200日移動平均線とRSI14日を使って売買します。まずは、株価(ローソク足やライン)が移動平均線の上か下か、移動平均線は上向きか下向きかで、買いタイミングかどうかを確認する。さらに、RSI14日で買われ過ぎか、売られすぎかをチェックして、絶好の買いタイミングを見つけましょう」(田嶋さん)
純金上場信託(金の果実)など国内金先物価格に連動するETFは、ドル建ての金現物価格の値動きに加え、ドル/円の為替レートも考慮する必要があります。
「将来的には、金価格が上がり、しかも為替相場が円安ドル高に進むであろうことを考えれば、金価格は1グラム1万円になっても不思議ではありません。円高ドル安のうちに仕込み、じっくり保有するのは、有効な生活防衛策だといえるでしょう」(同)
レンジ相場ではRSI+節目を目安に売買する
ドル建て金価格とドル円相場の両方が価格に影響する国内金先物価格は、長い間、一定の範囲内で上げ下げをくり返すレンジ相場が続いています。「この先の相場展開が見通しにくいレンジ相場の時には、少し短い期間で金ETFを売買してみるのもいいかもしれません。その場合は、RSI14日を見て、25%以下で買い、75%以上で売る方法が有効です。レンジの下値で買い、上値で売るという方法もいいでしょう。ただし、上値を抜けて上がり続ける場合や、下値を抜けて下がり続ける場合は、レンジの範囲が変わったか、はっきりとしたトレンドが発生した可能性があります。ドル建ての金価格とドル円相場の動向をチェックし、今後の方向性を判断することが大切です」
仮に、金価格が上昇していて為替が円安トレンドに転換していれば、国内金価格にも上昇トレンドが表れているはずです。金価格は上がっても、円高ドル安が進んでいるなら、レンジが変わっただけかもしれません。金価格が下がり、円高ドル安が進んでいるなら、さらに下がる可能性も。この場合は、金価格の反転を待って買うのがよさそうです。
監修/田嶋智太郎(経済評論家) 取材・文/大山弘子