雑貨/生活雑貨・デザイン雑貨

白木屋伝兵衛商店「掃印(そうじるし)」のほうき

ほうきの老舗、白木屋伝兵衛商店がデザイナーの大治将典さんと作った掃除道具のブランド「掃印(そうじるし)」。このほうきをついに手に入れました。しばらく使ってみたので、その感想をご紹介します。

江澤 香織

執筆者:江澤 香織

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実は私は掃除があまり好きではありません。でも、部屋が汚れているのも好きではありません。じゃあ、なんで掃除が好きじゃないのかな、と思ったら、掃除道具が好きじゃないのでした。掃除道具って、普段はあまり人目には見せたくないものです。あと、使っていて、なぜかイライラするものが多いです。電気掃除機の音とか、家具にすぐぶつかって細いとこに入れない感じとか、いつもモヤっとした気分になります。掃除機を戸棚からガタガタと出して、ガタガタと仕舞うことにも煩わしさがありました。
柄の部分がくるんとしています。

柄の部分がくるんとしているほうきです。

引越しをして、木の床になったとき、掃除はどうしよう、と思いました。木の床に電気掃除機をかける、というのはどうも不健康な感じがしたのです。自然の木のものには、自然なものを使うのがまっとうな気がして、うーん、と考えたとき、思いついたのがほうきでした。ほうきなら、木の床を傷めることもなく、木に対して優しさが感じられました。どうせなら真面目なものを使おうと思い、造りのしっかりしたほうきを探してみると、それなりに色々なほうきがあったのですが、一番好感を持てたのが、掃印というブランドのものでした。これは、白木屋伝兵衛商店という江戸箒の老舗が作っているものに、デザイナーの大治将典さんが、ユニークなアイディアと気配りをデザインしたもので、持ち手の部分がくるんとステッキのように曲がっています。ちょっとしたことなんですが、これがビジュアル的にも気さくな感じでウキウキするし、実際実用として優秀です。

ちゃんとしたほうきって結構いい値段だったりするので、正直買うのにちょっと躊躇したのですが、掃除機は電気代かかるけど、ほうきはかからないしね、とかなんとか自分を納得させて購入。私が買ったのは「掛け無精ほうき」というものです。
いざ使ってみると、なんと使い勝手の良いことか。考えてみれば、電化製品の歴史よりほうきの歴史の方がずっと長いわけで、人類が昔々から散々使ってきているのですから、形としては既に相当完成されているのではないか(って大げさ?)。本来の暮らしの中で、一番人の体や動きに自然に馴染むものなのかもしれません。しかも、このほうきは老舗の職人が手作りしたものだから、道具に対する揺るぎない誇りのみたいなものが感じられる。結果的には、そう高い買い物ではありませんでした。
とにかくどこかに引っ掛けておけばいい

とにかくどこかに引っ掛けておけばいい

さて、具体的にどう使い勝手がいいのかといいますと、まず掃除道具を出す煩わしさがない。機動性が抜群に良いです。あ、汚れてる、と思ったらささっと掃けばいいだけ。電気掃除機に比べたら圧倒的に軽くて小さくて、機敏です。しかもこの掃印は持ち手が簡単に引っ掛けられるので、いちいち戸棚に仕舞わなくても、家のどこかにひょいっと掛けておけば、ひょいっと持ち出せる。出しっぱなしでも嫌じゃないんです。これは嬉しいものです。部屋にちょこんとかけてあると、どことなく愛嬌があって、ほのぼのするくらいです。ほうきって、昔は豊作を願う祈りの道具だったり、西洋では魔女が乗るものだったり、ちょっと神秘的で不思議な夢があって、おまじない的な親しみのある道具だと思います。ほうきのある家はハッピー、みたいな安心感があります。そして手作りのほうきは見れば見るほど、職人による丹念な仕事が施されていて、その精巧ぶりにはうっとりするような清々しさがある。目に付くところに置いておいても、それはとても気持ちが良く、愛着の湧いてくる道具です。

ほうきは先がくにゃりと曲がるので、意外と細いところにも届きます。髪の毛や綿埃なども意外と穂先にまとわりつかずにするっと離れます。この辺りも気持ちいい。何か使い捨てで取替の必要があるシートとか袋みたいなのがないのもいい。ゴミを集めたらちりとりに取ってゴミ箱へ入れるというシンプルな作業。その代わり、軽いゴミはふわふわと飛ぶので、窓を開けて風が強いと掃いてもまた飛んでってしまうことがありますが。チリひとつ残さず完璧にツルピカに掃除したい、という潔癖症の方には向かないかもしれません。掃除はあんまり好きじゃないけど、サクっと手早く簡単に、なんとなくきれいになったらいいなあ、というずぼらな人向きです。
編み込み部分がキリリと美しい

編み込み部分がキリリと美しい

それからほうきは掃くときの音がいいです。電気のような不快感がありません。ほうきを掃く音って、外から聞こえても嫌な感じはしないですよね。和むというか、自然の草が当たる音だからなんでしょうか。このほうきは、国産のほうきもろこしという素材が原料だそうですが、現在では生産農家も少なく、また収穫したものも半分以上は使えないそうです。職人は穂の選別から行い、手で触ってこしのある柔かなものだけを選んでいるそうです。そして編み上げるまでには穂の下準備があり、少しずつ草を束ねてしっかり編み上げていきます。熟練の職人でも完成まで仕上げるのは1日3~5本、という大変手間のかかる作業。掃いたときのサラサラという耳障りのいい音は、職人の確かな技術あってこそなのでした。

このほうきを手に入れたからって、決して掃除大好きになったわけではありませんが、掃除を始める前のいやいやな気持ちはだいぶ解消されたように思います。掃除することが、なんとも身軽な気分です。とてもお気楽な掃除道具です。そしてほうきのある家の風景は、しみじみと温かい感じがします。

掃印
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