投機筋と実需筋

投機筋と実需筋とは、どういう人たちのことを指しているのでしょうか。

まず実需筋。今はビジネスがグローバル化しているため、海外諸国と商取引を行う場合には、自国通貨を外貨に替えたり、あるいは外貨を自国通貨に替えたりという為替取引が必要になります。

たとえば、日本の自動車会社を例に挙げてみましょう。日本から米国に自動車を輸出した場合、その販売代金は米ドルで受け取ります。しかし、日本の従業員の給料や下請け企業への支払いを米ドルで行うわけにはいきませんから、米ドルを円に替える必要があります。そのため、日本の自動車会社は外国為替市場で、米ドル売り・円買いの為替取引を行います。
このように、輸出入に絡んで為替取引を行っている市場参加者のことを「実需筋」と言います。実需筋には他に石油会社、商社などがあります。

一方、投機筋は輸出入とは関係ないところで為替取引を行っている市場参加者のことを指します。基本的には、為替差益を得るのを目的にして外国為替市場の取引に参加している人たちのことです。

たとえば銀行の為替ディーラーやヘッジファンド、保険会社などがこれに該当します。なかでも為替ディーラーやヘッジファンドは、短期的に大きな額で為替取引を行うため、短期的に為替レートを大きく変動させるケースが見られます。

投機筋はこうして動く

為替レートに短期的な影響を及ぼす投機筋が、何を材料に売り買いしているのか。それを知ることによって、短期的な為替レートの値動きの見当を付けることができます。

まず金利。より金利の高い通貨が買われる傾向があります。たとえば日本の金利が1%、オーストラリアの金利が4%だとすると、豪ドル買い・円売りが進みやすくなります。
また金利動向という点では、米国のFOMCや欧州のECB理事会、日本の日銀金融政策決定会合などで、中央銀行が、今後の金融政策をどのように考えているかを発表する場合があります。ここで金利引き上げを匂わせる発言があれば、その通貨は買われ、逆に金利引き下げを匂わせる発言があった時には、その通貨は売られる傾向が強まります。

経済指標も要注目です。特に米国が毎月第一金曜日に発表する「雇用統計」は、米ドル/円の為替レートに、短期的に大きな影響を及ぼします。雇用統計など各種経済指標は、事前に市場予測値が発表されるのですが、それに対して良い数字が出ると円売り、悪い数字が出ると円買いの傾向が強まります。

要人発言にも注意して下さい。たとえばFRBのバーナンキ議長、ECBのドラギ総裁、日銀の白川総裁他、各国の中央銀行総裁や財務相など要人が為替レートに関する発言をした時には、為替レートが動くケースがあります。

この他、紛争などの有事が起これば米ドルやスイスフランが買われたり、金融不安が高じると円が買われたりします。投機筋は、常に目先の材料を探して、それを売買の手掛かりにしていますので、短期的に為替レートを動かす要因になるのです。

【抽選で10名にAmazonギフト券1000円分プレゼント】All Aboutで「お金」について、アンケートを実施中です!
回答いただいた内容をAll About記事企画の参考にさせていただきます
※2021/12/1~2021/12/31まで

「毎月の家計についてのアンケート」に回答する

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。