「免疫抑制細胞」と再発・転移
一つ目のミスコピーが増える原因は、いわゆる「発がん」の危険性があるものや生活習慣であり、放射線や喫煙その代表的なもので、がんの発生や再発予防にこれらに注意しておくことが重要なのは皆様もご存じの通りです。
残りの「見分ける力」と「攻撃する力」は、まさに「免疫力」と呼ばれるものですが、過度のストレスを避け、十分な睡眠・栄養・休養をとり…といったことが大切だということのほかに、私たちが本来持っている「免疫力」を弱める仕組みが体にはあるのではないかと考えられています。
がん細胞は、私たちからすれば、一つ残らず見つけて、処理してしまいたいものですが、がん細胞は自分自身が生き残るために、私たちが生まれつき持っている「見分ける力」と「攻撃する力」を弱めてしまおうとするのです。そのカギを握るのが「免疫抑制細胞」であることが最近の研究でも明らかになってきました。
実際、がん患者さんでは「免疫抑制細胞」が多いとがんの進行が早かったり、動物実験でもがんがある時には、「免疫抑制細胞」が多かったりしたということが明らかになってきました(左図参照)。
すなわち、「免疫抑制細胞」は、がんになると増加し、私たちが持つがんを「攻撃する力」を弱めることで、再発・転移などにつながることが明らかになってきました。がんの治療に特徴的な「再発・転移予防」には「免疫抑制細胞」を減らすことが重要なのです。
昔から「がん」に良いとされる食べ物はいくつかあります。その代表的なものがキノコ類ですが、この分野の研究は、最近めざましいものがあります。例えば、シイタケ菌糸体研究会による研究でも、シイタケ菌糸体の成分が「免疫抑制細胞」を減らす作用があることが報告されています。
生活習慣病の一つに含まれる「がん」。食習慣が大切であるということが、科学的にも証明されつつあると言えるでしょう。
【関連記事】
■免疫抑制細胞の減少には、シイタケ菌糸体が有用
【関連サイト】
シイタケ菌糸体研究会