不思議な造形の石造物……飛鳥の石造物群(奈良)
古の都、飛鳥には有名な高松塚古墳やキトラ古墳を始めとした陵墓や王墓の他にも、不思議な造形をした石造物が今も数多く残っています。なかには面白い名前を付けられているものもあり、鬼の俎・鬼の雪隠は代表格。元はどちらも同じ古墳の石室の一部で、長い年月の後に古墳が壊れ、現在の形になったのだとか。俎と雪隠は通りを挟んで数十メートル離れているので、ご注意を。変わった名前の由来は、その昔この辺に棲んでいた鬼が付近を通る旅人を捕まえては俎で調理し、その後雪隠で排泄したという言い伝えから。雪隠というのはトイレのことです。写真は雪隠の方。俎はまんまと見逃してしまいました。
その鬼の俎・鬼の雪隠から歩くこと約15分ほどのところにあるのが、亀石。見たままズバリ、亀に似ていることからこの名前が付いています。巨大な自然の花崗岩で、いつ誰が何のために造ったのかまったく不明。
笑っているような寝ているような、ユーモラスな表情が可愛らしい石造物です。しかし、その可愛らしい外観に反し、この亀石にはちょっと怖い伝説が。元々この石は北を向いていたそうなんですが、しばらくして東に向き、さらに現在の南西に向きが変わったとか。これだけでもなかなか不気味なんですが、何と亀石が西に向くと、奈良盆地は泥沼になってしまうそう。これ以上向きが変わらないように切に願います。
■飛鳥の石造物群
住所:高市郡明日香村
アクセス:近鉄飛鳥駅
地図:Yahoo!地図情報
URL:http://www.asuka-park.go.jp/