30代での貯蓄なぜ必要? いくら必要?
2015年8月の最新記事はコチラへ!『30代、3世帯に1世帯が貯蓄ゼロ!! 貯蓄はいくら必要?』まずは、30代の皆さんにはちょっとショッキングな数字を紹介しましょう。金融広報中央委員会が発表した2013年の「家計の金融動向に関する世論調査」によると、30代の2人以上の世帯で「貯蓄がない」と答えた世帯の割合は30.2%に達しました。
これを聞いて、中には「良かったあ。仲間がいたよ」と、喜んでる人もいるかもしれません。しかし、この数字は実に深刻です。30代の3人に1人は「貯蓄ゼロ」ということなのですから。しかも、2011年の調査で初の30%超えをマークしてからは、3年連続大台を維持。2010年の調査では24.3%でしたから、急伸したまま高止まり状態が続いていることになります。
30代での貯蓄とは、どんな意味を持つのでしょうか。ファイナンシャル・プランナーの八ツ井慶子さんは、既婚と未婚、30代前半と後半で状況は違うものの、とくにこの年代での貯蓄の必要性を指摘します。
「一般に30代は、結婚費資金やクルマ、住宅購入のための自己資金、子どもが生まれれば教育費などが発生します。また、この年代にキャリアアップのため自己投資をするという人も少なくないはず。しかし、今年4月からはいよいよ消費税が8%にアップします。物価もとくにエネルギー関係で上昇が目立ち、社会保障費も上がっています。それは確実に家計に負担を強いるわけですから、貯蓄がないという現状はとても深刻なのです」
では、具体的にどのくらい貯蓄が必要なのか。そのひとつの目安が今回のテーマである「300万円」なのです。
「社会人になって年間30万円ずつ貯蓄すれば、10年で300万円。30代前半には十分貯められる金額です。一方、30代も終盤であれば、さらに結婚や住宅購入などの大きなイベントがまだの場合は、600万円は欲しいところでしょう」
ただし、状況によっては、貯蓄ができないからと焦る必要もないと言います。たとえば、共働きだったが、妻が出産、子育てでしばらく収入が低下する場合、貯蓄ペースは鈍化しがち。しかし、再度妻が働くことで挽回する力はあるはずです。そういう余力があれば、単年で考えず、ライフプランと照らし合わせながら、3年、5年と長いスパンで貯蓄を考えることも大切になってくるでしょう。
一方、そういう状況に関係なく、貯められない体質になっているケースもあります。無駄遣い、支出癖がしみついてしまっている。しかも、本人はそれに気づいていない場合が多々あります。自分が一体どちらなのかを見極めることが大切になってくるのです。
八ツ井慶子さん
ファイナンシャル・プランナー。大学卒業後大手信用金庫に入庫。本当にお客様にとっていいものを勧められる立場になりたいとの思いから、個人相談が中心のファイナンシャル・プランナーとして独立。近著に『ムダづかい女子が幸せになる38のルール』(かんき出版)と『サラリーマン家庭は"増税破産"する! 』(角川oneテーマ21)がある。テレビ、新聞、雑誌などでも活躍中。All Aboutマネーのガイドを務める
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取材・文/清水京武 イラスト/竹松勇二 パネルデザイン/引間良基