竹島問題に伴う渡韓に関する注意点
市庁駅にあるソウル広場を始め、光化門広場~清渓川付近では、たびたびデモ活動が行われています。日韓問題に関連するデモの際は、近づかないのが無難です
韓国は日本の統治下に置かれた歴史、従軍慰安婦問題、竹島・独島問題などにより、日本に対し良い感情を抱いていない人々も少なくありません。しかしながら、いわゆる「反日」が一般旅行客を相手に非難をしたり、危害を加えたり、ということは滅多にあるものではありません。韓国の大部分の人々は、今回の領有権の問題は、あくまで国際政治上の問題であり、個人である日本人を批判するものではないと認識しています。
特に観光地では、旅行者は大切なお客様。日本人であるという理由で、入店を断られたり、あからさまに非難を浴びせられたり、ということはまずないでしょう。また、今回の韓国大統領による竹島上陸に対して韓国国内では、大統領の支持率低下や12月に行われる選挙などを意識した政治的なパフォーマンスではないか、との見方もあります。そんなこともあり、日本における竹島問題の報道熱とは対照的に、韓国では既にこの問題がトップニュースになることはなく、韓国の人々は今回の問題を非常に冷静に受け止めています。つまり、現在の韓国は、必要以上に警戒心を抱き、旅行をキャンセルにするまでの事態とは考えにくい状況といえます。
とはいっても、 渡韓を検討中であれば、現地の安全確認をするにこしたことはありません。ここからは、情報を収集する際のポイントと現地で気をつけたいことを紹介します。
情報の収集と正しい判断
テレビや新聞などから報道されるニュースは、基本的に問題となっている場所や事件に限られがちです。そのため、ブラウン管や紙面を通して報道された事件により、あたかもその国全体が危機状態であるかのように錯角してしまいがちなのが、マスメディアから情報を得る際の難しい点です。たとえば、 8月27日には現地の40代男性が在ソウル日本大使館に向けて、汚物の入ったペットボトルを投げつけた事件などもありました。この問題だけを見ると、なにやらソウル全体が危険な雰囲気であるかのような印象を抱いてしまいますが、ソウルの他の場所はいたって静かで、普段となんら変わらない日常が営まれていました。
また、過去に、ソウルで比較的大きなデモが起こると、旅行のキャンセルが相次ぐことがしばしばありました。しかし、実際の現地事情としては、デモ活動が行われている場所以外では、混乱もなく普段となんら変わりなかったのが実際のところです 。わずかでも危険を回避することは、自らを守る賢明な選択肢です。ですが、今回のように「反日」を思わせる報道が続く場合でも、必ずしもキャンセルするほど旅行に影響があるとは限らないのです。ニュースで報道されることは事実ですが、そこから得た情報は客観的に検討してみることも大切です。
現地の治安状態を確認できるサイト
そうは言っても、日本で暮らしながら、韓国の現地事情をリアルタイムで知ることはなかなか難しいことです。在大韓民国日本国大使館や、外務省のサイトなどは、治安情報が都度掲載されるので、現地が安全かどうか判断するのに役に立ちます。旅の準備にぜひお役立てください。現地では常識ある行動を!
- 外国だからとハメを外し、やたら目立つ行動をしないこと。
- 現地の人を挑発したり、侮辱するような発言はしないこと。
- どうせ分からないだろうと、悪口を言ったりしないこと。※日本語を理解する韓国人は大勢います。
- 現地の人と歴史的な問題を持ち出さないこと。また、もし相手にたずねられても、議論しようとしないこと。
- 深夜、暗い路地裏を歩いたり、居酒屋やクラブなど、お酒を飲む場所はできるだけ避けること。
- デモが行われている場所には近づかないこと。※今回のように、日韓関係が悪化している時には、大使館を対象とした事件も起こりえます。特に用事がない限り、大使館付近も避けるようにしましょう。
これらは韓国旅行の際に守るべき基本的な事柄ですが、日韓関係が悪化しているときは、より一層の注意を払うようにしましょう!