ススが少なく、風に強く、長持ちする「大森和蝋燭屋」の和ろうそく
伝統的な民家が連なる「白壁の町」として知られる内子。江戸時代から明治にかけて和紙と木蝋で栄えたこの内子では木蝋を使ったろうそく作りが盛んで、かつては日本のろうそくの3分の1が生産されていたそうです。
国の伝統的建造物群保存地区に指定されている町屋群のなかにある「大森和蝋燭屋」は、今では西日本唯一となった手作りの和ろうそく屋さん。店内では6代目の大森太郎さんの作業を見ることができます。
竹串に和紙と燈心草の芯を巻き付け真綿でとめて芯を作り、ハゼの実から搾り取る蝋を重ねていく200余年受け継がれた伝統の技。40℃以上に溶かした蝋を素手ですくって芯にすり付け、乾かし、少しずつ年輪のように重ねていくという気の遠くなるような作業を経て一本のろうそくができあがります。
そうやって作られた和ろうそくは、ススが少なく、風に強く長持ちするそう。ほんのりうぐいす色がかって、切り口はバウムクーヘンのように年輪状です。
職人さんの姿勢が表れているようにすっとしていて凛とした印象の和ろうそく。その炎は大きく、温かみが感じられます。
なんと同店の和ろうそくは、イギリスの大英博物館で「日本のおみやげ」として展示保存されているのだそう! 日本のすばらしい伝統を大切に残していきたいですね。
■大森和蝋燭屋(おおもりわろうそくや)
住所:愛媛県喜多郡内子町内子2214
TEL:0893-43-0385
営業時間:9:00~17:00 火・金曜休み
アクセス:JR内子駅から徒歩20分
価格:和ろうそく1本378円~